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S100タンパクの主な生体内局在

近年、S100タンパクはS100A1〜16、S100B、S100G、S100Zと20種類に分類されており、これらは“S100ファミリー”と総称されます。

S100タンパクの主な生体内局在

S100タンパクは、神経・皮膚・唾液腺・脂肪・軟骨などの正常な細胞に発現します。これらの細胞に由来する腫瘍や、特定の疾患の病変部でもS100タンパクが産生されていることがわかり、そのタンパクの局在や機能に関する研究は現在進行形で活発です。
1955年にウシの脳から、分子量約20kDaの酸性タンパクが精製されました。このタンパクは、100%飽和状態の硫酸アンモニウム溶液と混合しても析出せずに可溶(ssoluble)という性質を有しており、これがS100タンパクの名称の由来になっています。
近年、S100タンパクはS100A1〜16、S100B、S100G、S100Zと20種類に分類されており、これらは“S100ファミリー”と総称されます。

●S100ファミリータンパクの主な生体内局在
S100A1:骨格筋線維、心筋細胞、神経細胞
S100A2:尿路上皮細胞、扁平上皮細胞、呼吸器、消化管
S100A3:毛根細胞
S100A4:間質細胞、骨髄系細胞、脂肪細胞、線維芽細胞、免疫細胞、血管細胞
S100A5:神経細胞(嗅球、脳幹、脊髄三叉路に限局するともいわれる)
S100A6:上皮細胞、神経芽細胞、骨芽細胞、神経細胞、平滑筋細胞、心筋細胞、リンパ球、血小板
S100A7:扁平上皮細胞、鼻粘膜上皮
S100A8:好中球、単球、マクロファージ、樹状細胞、微小血管内皮細胞、上皮細胞、線維芽細胞
S100A9:好中球、単球、マクロファージ、樹状細胞、微小血管内皮細胞、上皮細胞、線維芽細胞
S100A10:多種多様な細胞、細胞外にも発現
S100A11:軟骨細胞、黄体細胞、卵管上皮細胞
S100A12:好中球、単球、マクロファージ、内皮細胞、上皮細胞
S100A13:線維芽細胞、骨芽細胞、メラノサイト
S100A14:リンパ球、上皮細胞
S100A15:角化細胞
S100A16:神経細胞、脂肪前駆細胞
S100B:骨格筋線維、神経細胞、軟骨細胞、脂肪細胞、樹状細胞、リンパ球
S100G:上皮細胞
S100P:リンパ球、上皮細胞、胎盤
S100Z:リンパ球

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