先天性プロテインS欠損症は、わが国では2万9,000人に1人の発症頻度で、血栓症や下腿部壊瘍、深部静脈血栓などプロテインC欠損症と酷似した臨床症状を示します。しかし、PTやAPTTなど通常の凝固系スクリーニング検査では、ほとんど異常値を示さないことから、血中プロテインSの測定は血栓症の素因診断やプロテインC欠損症との鑑別診断に有効です。
先天性プロテインS欠損症では総プロテインS抗原の低下の有無だけでなく、遊離型やプロテインS活性の低下の有無によりタイプ1(コアファクターをもたない複合体型であるヘテロ接合体プロテインS欠損症)、タイプ2(遺伝子発現不良が示唆されるホモ接合体欠損症)、タイプ3(分子異常プロテインSが発現する分子異常症)までの分類がされています。
・プロテインS(活性)
測定方法:凝固時間法
検査材料:クエン酸血漿
基準値:単位(%)64~149
・プロテインS(遊離型抗原量)
測定方法:LA(ラテックス凝集比濁法)
検査材料:クエン酸血漿
基準値:単位(%)M 74~132 F 60~127
・高値を示す病態:高値側の臨床的意義は少ない
・低値を示す病態:血栓塞栓性疾患、先天性プロテインS欠損症、経口避妊薬の使用、妊娠時、肝障害、DIC、ビタミンKの摂取または利用障害、ワーファリン投与時
▽プロテインS 活性・遊離型抗原量 のキーワード
▽次の記事、前の記事
サイトについて
このサイトは「健康診断・血液検査MAP」の新規記事を掲載しています。 過去の記事はこちらから閲覧できます。当サイトのRSS
新着アイテム
ジャンル
Copyright (C) 2008
by 健康診断・血液検査MAP2