') ?>
クローン病は、口腔から肛門までの全消化管に炎症や潰瘍を生じる慢性炎症性腸疾患です。発症原因は、免疫異常を引き起こす遺伝的な因子、腸内細菌などによる腸管粘膜の異常といった環境因子が複雑に関与する考えられています。ゲノムワイド関連解析からコアATG遺伝子の1つであるATG16L1の変異(T300A)が同定されました。この変異はATG16L1のWDリピートドメインに存在しますが、この領域は酵母Atg16には存在せず、少なくともマウス線維芽細胞においてはオートファジー活性に影響を与えないことがわかっています。
しかし、変異型ATG16L1は飢餓などの代謝ストレス条件下においてカスパーゼ3により切断を受け、その結果オートファジー活性が低下することが報告されています。変異型Atg16L1挿入マウスに腸内細菌の1つであるエルシニアを感染させると、野生型マウスに比べて菌の排除が減弱し、炎症性サイトカインの産生が上昇します。また、Atg16L1を欠失したマクロファージでは、グラム陰性桿菌に応答して過剰なインターロイキン-1βとIL-18を産生し、強い炎症反応が引き起こされました。クローン病の発症については現時点においても不明な点が多くあるものの、オートファジーと小胞体ストレス応答の両方が障害されることではじめて腸炎を引き起こすことなどが報告されており、オートファジー不全がクローン病の発症の一因となっていることが強く示唆されます。
▽オートファジーと疾患 クローン病 のキーワード
▽次の記事、前の記事
サイトについて
このサイトは「健康診断・血液検査MAP」の新規記事を掲載しています。 過去の記事はこちらから閲覧できます。当サイトのRSS
新着アイテム
ジャンル
Copyright (C) 2008
by 健康診断・血液検査MAP2