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オートファジーは、大別して2つの生理機能をもつことが明らかにされています。一つはアミノ酸などの分解産物の提供であり、飢餓応答(*)・初期胚発生・細胞分化・抗原提示などに関与します。
たとえば。新生児マウスは胎盤からの栄養供給が絶たれる出生後一過性にオートファジーを誘導しアミノ酸プールを維持します。全身性にAtg5を欠損させたマウスは、新生児飢餓後時に組織・血中において重篤な低アミノ酸症状に陥り、それが一因となり出生後24時間以内に死亡します。
もう一方は、細胞内品質管理であり、細胞の編成を防ぎます。オートファジーは栄養条件にかかわらず低いレベルで起こっており、細胞内の新陳代謝を担います。実際。臓器特異的Atg遺伝子欠損マウスの解析から、オートファジーの抑制は、細胞内に変性した蛋白や細胞小器官の蓄積を伴った神経変性や、肝腫瘍化を引き起こすことがわかっています。
(*)飢餓応答:胎児は胎盤を介して母親から栄養が供給されますが、出産とともにその供給経路は突然遮断されます。新生児は母乳からの栄養補給体制が完成されるまで、一過性の著しい飢餓にさらされます。
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