') ?> オートファジーとは - 健康診断・血液検査MAP2

オートファジーとは

オートファジーは細胞内における分解の場である細胞小器官ライソゾーム(=リソソーム)で、細胞質成分を分解する機構の総称です

オートファジーとは

オートファジーは細胞内における分解の場である細胞小器官ライソゾーム(=リソソーム)で、細胞質成分を分解する機構の総称です。オートファジーは、ミクロオートファジー、シャペロン(*1)介在性オートファジー、マクロオートファジーの3つの経路に分類されます。これらのなかで、最も解析が進んでいるのがマクロオートファジーであり、単に「オートファジー」と表記される場合はこのマクロオートファジーを指すことが多いようです。
オートファジーは細胞質に出現した隔離膜が細胞質成分を取り囲みオートファゴソームが形成される過程と、オートファゴソームがライソゾームと融合し細胞質成分を分解する2つの連続した過程からなります。

オートファジーの発見は古く、1960年代には電子顕微鏡観察により見いだされていました。その後、ラット肝臓の灌流実験などからアミノ酸の枯渇やグルカゴンがオートファジーを誘導し、インスリンがオートファジーを抑制することが明らかにされました。1990年代はじめに出芽酵母のオートファジーが発見され、その後オートファゴソーム形成に必要な一連のATG(autophsgy-related)遺伝子の同定に成功しました。
このATG遺伝子の同定を契機に、オートファゴソーム膜形成場や分子機構の基本フレームといったオートファジーの分子機構の理解が深まり、逆遺伝学(*2)により栄養供給や品質管理といった基本的な生理機能の理解が進みました。

(*1):フォールディング(他の蛋白質分子の正しい折りたたみ)途上の不安定な中間体や熱で変性した蛋白質が凝集にならないよう、助ける機能を有する蛋白質
(*2):特定の遺伝子を改変・欠損することにより、どのような表現型が得られるかを調べ、その遺伝子の機能を解析する手段

▽オートファジーとは のキーワード

▽次の記事、前の記事

尿中エクソソームの日内変動と安定性 | オートファジーの分子機構

健康診断・血液検査MAP2:新着記事

鉄のホメオスタシス
生体は鉄過剰や鉄欠乏に陥らないように複数のステップで鉄の取り込みを制御しています。
続発性鉄過剰症と鉄の毒性
蓄積した鉄により生じた活性酸素種(reactive oxygen species:ROS)が肝細胞障害や変異原生塩基の生成を惹起することが知られています。
単球由来マイクロパーティクル
膜小胞体は細胞の内部顆粒や膜性微粒子、および機械的破壊によって生成された膜のフラグメントを含み、マイクロパーティクル(microparticle:MP)と呼ばれています
My Nightingale マイ ナイチンゲール総合的健康状態把握
バイオマーカー測定値より算出される総合健康指標および各種健康指標
新型コロナ経口薬パキロビッドパック(Pfzer社)を特例承認
厚生労働省はファイザーが申請した「パキロビッドパック」(ニルマトレルビル・リトナビル)を新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬として特例承認しました
尿中コルチゾール
コルチゾールは、下垂体から分泌されるACTHの刺激を受けて、副腎皮質束状層より分泌される分子量362.5の糖質コルチコイドでACTHとの間にフィードバック関係があります
新型コロナウイルスCOVID-19のサイトカインストーム
「サイトカインストーム」は、何らかの原因によりIL-1β、IL-6、TNF-αなどの血中サイトカインの大量産生状態と、続発する全身の炎症状態を伴う過剰な免疫反応を表す言葉です
sFlt-1/PlGF比 妊婦高血圧腎症発症予測
PEの病態形成には、血管新生因子である胎盤増殖因子(PlGF)およびその阻害因子の可溶性fms様チロシンキナーゼ1(sFlt-1)が関与していることが明らかになっています
ctDNAの量と検査方法
血漿DNAの量は10ng/mL以下と微量であり、このうち腫瘍由来のctDNAは通常0.1〜1%の低頻度で含まれています
cfDNAとctDNA
cell-freeDNA(cf-DNA)は体内の細胞が死滅する際に、ゲノムDNAが細胞外に放出され血液中に短く断片化した遊離DNAです

Valid XHTML 1.0 Transitional Valid CSS! Lint