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オートファジーは細胞内における分解の場である細胞小器官ライソゾーム(=リソソーム)で、細胞質成分を分解する機構の総称です。オートファジーは、ミクロオートファジー、シャペロン(*1)介在性オートファジー、マクロオートファジーの3つの経路に分類されます。これらのなかで、最も解析が進んでいるのがマクロオートファジーであり、単に「オートファジー」と表記される場合はこのマクロオートファジーを指すことが多いようです。
オートファジーは細胞質に出現した隔離膜が細胞質成分を取り囲みオートファゴソームが形成される過程と、オートファゴソームがライソゾームと融合し細胞質成分を分解する2つの連続した過程からなります。
オートファジーの発見は古く、1960年代には電子顕微鏡観察により見いだされていました。その後、ラット肝臓の灌流実験などからアミノ酸の枯渇やグルカゴンがオートファジーを誘導し、インスリンがオートファジーを抑制することが明らかにされました。1990年代はじめに出芽酵母のオートファジーが発見され、その後オートファゴソーム形成に必要な一連のATG(autophsgy-related)遺伝子の同定に成功しました。
このATG遺伝子の同定を契機に、オートファゴソーム膜形成場や分子機構の基本フレームといったオートファジーの分子機構の理解が深まり、逆遺伝学(*2)により栄養供給や品質管理といった基本的な生理機能の理解が進みました。
(*1):フォールディング(他の蛋白質分子の正しい折りたたみ)途上の不安定な中間体や熱で変性した蛋白質が凝集にならないよう、助ける機能を有する蛋白質
(*2):特定の遺伝子を改変・欠損することにより、どのような表現型が得られるかを調べ、その遺伝子の機能を解析する手段
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