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セルロプラスミン

血清銅を運搬する肝由来の血漿蛋白で、Wilson病で低下する一方、急性相反応蛋白として炎症で増加します。

セルロプラスミン

セルロプラスミン(ceruloplasmin:CP)は、分子量は132,000で1分子中6〜8個の銅原子を持つ糖蛋白です。肝のミクロソームで銅とアポセルロプラスミンから合成され、血中または胆汁中に分泌・排泄されます。セルロプラスミンの大部分は肝で分解され、胆管から排泄されるため胆汁うっ帯をきたす疾患で上昇します。また、サイトカインの上昇による合成促進,シアル酸増加による分解亢進がみられ、急性相反応蛋白として、炎症動向の判別、鉄と同様に貧血症状の病態把握、先天性の銅代謝の病態把握と管理に有用です。

この蛋白の遺伝的欠損はWilson病として知られています。Wilson病の発症年齢は4〜60歳と幅広く、生体内に銅が過剰蓄積し、肝硬変、進行性錐体外路症状およびカイザー・フライシャー角膜輪を3主徴とする常染色体劣性遺伝疾患です。
種々の病的状態で上昇し、疾患の補助的診断法として、またその重症度の判定に役立ちます。一方悪性腫瘍ではCPはサイトカインの上昇とシアル酸減少により高値を示しますが、治療により寛解すると正常化するので臨床的に治療効果および判定に有用性があります。

検査材料:血清
測定方法:ネフェロメトリー
基準値:単位(mg/dL)21〜37

・高値を示す病態
悪性腫瘍(白血病)、感染症、胆道閉塞(細胆管性肝炎・胆汁性肝硬変)、貧血(鉄欠乏性・再生不良性・溶血性貧血)薬剤エストロゲン投与、膠原病(SLE・リウマチ熱・RA)
・低値を示す病態
Wilson病、ネフローゼ症候群、メンキース症候群、胃腸管蛋白漏出症、劇症肝炎、慢性肝障害(肝硬変)

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