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エクソソームは、細胞内の変化を反映して分泌されます。すなわち、エクソソームを分泌した由来細胞のわずかな変化を検出可能という点が最大の特徴です。それに加えて、尿中エクソソームの分析は次のようなメリットが考えられます。
通常、エクソソームは、血液を介して伝播されますが、泌尿器系では尿も伝播経路となります。したがって、糸球体細胞から尿中に放出されたエクソソームが尿細管や膀胱などの細胞に取り込まれて何らかの制御に寄与している可能性があり、エクソソームに含まれる物質の分析によりこの情報が得られます。
また、血液中のエクソソーム解析では、全身の細胞から放出されたエクソソームを解析するため、由来細胞を特定することが困難ですが、尿中エクソソームは由来細胞が糸球体、尿細管、集合管、尿管、膀胱、精巣、尿道のみです。このため、由来細胞の種類が少なく解析が容易であると考えられます。さらに、血液に比べて尿は10〜100倍程度の試料を採取でき、比較的多量のエクソソームを回収可能な点もメリットとして考えられます。加えて、エクソソームの構造がリン脂質の二重膜に覆われていることは、尿細管での蛋白質分解に関するさまざまな因子からの回避につながり、エクソソーム中の蛋白質などをバイオマーカーとして活用する際の利点となります。
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