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ヒトの体を構成する約60兆個もの細胞は、それぞれ単独で機能しているのではなく、細胞同士がコミュニケーションを取りながら組織として機能しています。細胞相互の情報伝達には、ギャップ結合をはじめとする直接敵作用、ホルモン、サイトカインといった情報伝達物質および神経が関与していますが、近年、それ以外にもエクソソーム、マイクロベシクル、アポトーシス小体と呼ばれる細胞外小胞(extracellular vesicles)が関係することが見いだされてきました。このうち、エクソソーム(eaosome)は、1983年に羊の網赤血球から分泌された小胞とした初めて報告された細胞外小胞の1つです。現在では、生体内のほとんどの上皮細胞から分泌されることがわかり、尿中にエクソソームが存在することは2004年に報告されています。
エクソソームは、脂質二重膜で覆われた、直径100nm程度の小胞であり、その生成過程は、エンドサイトーシスにより細胞膜が内側に陥没し、エンドソームを形成することで始まります。形成したエンドソームの内側では、出芽するように小胞が形成され多胞性エンドソームとなった後に、細胞膜と融合して小胞をエクソソームとして細胞外に分泌します。この過程において、細胞膜上に存在する物資が小胞の内側に封入されるため、エクソソームには起源細胞の種類や状況に応じて、さまざまな物質が封入されます。封入される成分としては、核酸・蛋白質・脂質・さらにはマイクロRNA(micro RNA:miRNA)など多岐にわたり、このことが、エクソソームがさまざまな情報を持ち、由来細胞の状態を反映する粒子であるとされる理由です。2007年には、エクソソームが中の核酸が他の細胞に運ばれることが報告され、エクソソームが遠く離れた細胞に情報を伝える機能も担っていると考えられるようになりました。
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