糖尿病の三大合併症の一つとして糖尿病性腎症が知られていますが、従来この診断には試験紙による尿蛋白の定性検査法が広く用いられてきました。しかし、尿蛋白定性検査が陰性でも、すでに腎の組織学的変化が始まっている場合が多く、陽性が認められる頃にはかなり進行している症例があります。尿中アルブミンは、腎糸球体障害の進行に伴い尿中排泄量が増加する物質です。
この初期の病変(早期腎症)を診断する指標の一つとして尿中微量アルブミンが測定され、微量アルブミン尿を呈する症例の多くは後に持続性蛋白尿を呈し、糖尿病性腎症に移行することが明らかにされています。
尿中アルブミンを測定し、早期糖尿病性腎症の有無を確認し糖尿病患者を管理・治療することが重要になります。また、糸球体障害の指標であるので糸球体に組織変化をもたす腎疾患の原発性腎疾患でも有用です。
・尿中アルブミン
検査材料:畜尿
測定方法:免疫比濁法
基準値:単位(mg/day)2~20
・尿中アルブミン(クレアチニン換算値)
検査材料:部分尿
測定方法:免疫比濁法
基準値:単位(mg/g・CRE)10.0以下
・高値を示す病態
糖尿病性腎症、糸球体腎炎、ループス腎炎、ネフローゼ症候群
(体位性・運動性蛋白尿などでも上昇をみる)
結果の評価に関してはアルブミン排泄率(AER:albumin excretion rate)が用いられことがあります。AERはμg/minで表わされ、通常24時間蓄尿し、それを1分当たりの量に換算することにより求められます。厚生労働省糖尿病調査研究合併症班の基準によると24時間蓄尿では15μg/min以下が正常とされています。
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