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赤血球沈降速度(赤沈)は、採取した血液に抗凝固剤を混ぜてガラス管に入れ、1時間後に赤血球が沈殿した長さをmmで測定します。赤沈は、1)赤血球が凝集して連戦形成する連戦形成期、2)連戦形成によってできた大きな赤血球塊が急速に沈降する沈降期、3)赤血球塊の沈降が進んで赤血球層の密度が高くなり、徐々に沈降速度が遅くなる沈積期の3相からなっています。通常は10〜15mm/時が正常とされますが、さまざまな要因で速度が変わります。赤血球は負に帯電しており、赤血球数が増加すると赤血球同士の電気的反発力により凝集塊の形成が妨げられるため、多血症や脱水では遅延します。
アルブミンは負に帯電していて赤血球同士を反発させるため、低栄養やネフローゼ症候群などの低アルブミン血症では亢進します。免疫グロブリンやフィブリノゲンなどの蛋白質は正に帯電しており、赤血球の電荷を打ち消して赤血球の凝集を促進するため、炎症や疾患によって高γグロブリン血症があると亢進し、血管内凝固の状態ではフィブリノゲンが消費されて遅延します。
赤沈が亢進または遅延する代表的な疾患を以下に示します。生理的には男性より女性、若年者より高齢者で亢進することが知られています。
・赤沈の亢進
1)急性または慢性感染症
2)全身性自己免疫疾患
関節リウマチ
全身性エリテマトーデス(SLE)
混合性結合組織病
血管炎症候群
3)自己炎症性疾患
成人Still病
Behcet病
再発性多発軟骨炎
家族性地中海熱
4)組織破壊
心筋梗塞
悪性腫瘍
熱傷
5)赤血球減少や血漿蛋白質異常
貧血
ネフローゼ症候群
肝硬変
多発性骨髄腫
・赤沈の遅延
赤血球増加や血漿蛋白質異常
播種性血管内凝固(DIC)
多血症
脱水
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