') ?>
カルニチン(carnitine)は細胞のエネルギー代謝に重要な役割を担っている水溶性アミンの一つです。体内では肝、腎などにおいてリジンとメチオニンから合成されますが25%程度であり、残りの75%は肉や乳製品などから直接摂取され、多く含まれる食物としては羊肉が有名です。
脂肪酸代謝に関して必須であるカルニチンが不足するとエネルギー代謝が阻害されるため、筋力の低下や倦怠感、心筋障害による不整脈や心不全、低血糖、脂肪肝などを引き起こします。
体内でカルニチンは遊離カルニチンおよび脂肪酸や有機酸とエステル結合したアシルカルニチンとして存在しています。
カルニチン欠乏症は一次性の先天性カルニチントランスポーター異常症による全身性カルニチン欠乏症と二次性に大別されます。二次性の原因としては、一次性以外の先天性代謝異常や体内貯蔵の低下による不足、尿細管性アシドーシスなどによる体内からの喪失があげられます。
またカルニチンは血液透析により除去されるため、透析後は透析前の20%程度にまで低下し、透析患者の多くにカルニチン不足が認められ管理が必要になります。
さらにカルニチンが全く含まれていない栄養剤もあるため、長期中心静脈栄養や経腸栄養による欠乏、また乳児のカルニチンの主たる摂取経路は母乳であるため、母乳中のカルニチン含有量の低下や人工乳使用により欠乏が起こることがあります。
抗てんかん薬のバルプロ酸やピボキシル基を有する抗菌薬の投与に伴うカルニチン欠乏も報告されており、日本小児科学会による「カルニチン欠乏症の診断・治療指針 2016」にカルニチン欠乏症の診断および補充療法の導入に関して血中カルニチン検査の必要性が記載されています。
検査材料:血清
測定法方:酵素サイクリング法
基準値:単位(μmol/mL)総カルニチン 45〜91
遊離カルニチン 36〜74
アシルカルニチン 6〜23
異常値を示す疾患
低値:原発生カルニチン血症, 先天性低カルニチン血症, 糖尿病(透析患者), 慢性疲労症候群, 未熟児
▽カルニチン分画 のキーワード
▽次の記事、前の記事
サイトについて
このサイトは「健康診断・血液検査MAP」の新規記事を掲載しています。 過去の記事はこちらから閲覧できます。当サイトのRSS
新着アイテム
ジャンル
Copyright (C) 2008
by 健康診断・血液検査MAP2