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非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fattyliver disease:NAFLD)は、生活習慣病の1つであり、アルコール多飲やウイルス感染に起因しない脂肪肝や肝炎を認める疾患です。その多くに糖尿病や脂質異常症などのメタボリックシンドロームを伴う疾患であることから、過栄養状態そのものが病態進展にかかわると考えられています。過栄養状態ではさまざまな機序でオートファジーが抑制されます。オートファジーの主要な制御機構であるmTORC1経路は、過栄養状態において活性化し、オートファジーを負に抑制します。過栄養状態が引き起こす高インスリン血症もIRS1-PI3K-Akt/PKB経路を介してmTOR経路を活性化することが報告されています。
また、mTORC1経路以外にも、オートファジーが抑制される経路が報告されています。培養肝細胞に飽和脂肪酸の一種であるパルミチン酸を処理した実験では、オートファゴソームとリソソームの融合を負に抑制するRubiconの発現増加が認められました。
Rubiconは、転写レベルでの増加を認めず、パルミチン酸投与でその分解が遅延されます。siRNA(small interferibg RNA)を用いてRubiconを発現抑制すると、パルミチン酸投与によるオートファジーの抑制が解除されたことから、パルミチン酸投与によるRubiconの分解遅延がオートファジー抑制の原因であると考えられます。さらに、脂肪肝ではカルパイン-2の発現が上昇し、コアATG遺伝子産物であるAtg3とAtg7の分解がおこりオートファジーの抑制がみられること、肥満マウスでは、リソソームの機能障害によりオートファジーが抑制されることも報告されています。実際に、NAFLDの臨床検体でも肝組織中のLC3とp62の蓄積が報告されており、オートファジーが抑制されていると考えられます。
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