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肥満・内臓脂肪とCRP

主にIL-6を刺激物質として肝臓から産生され、IL-1やTNF-αといった炎症性サイトカインにも刺激されるCRPも脂肪細胞の影響を受けるため、肥満状態においてCRPは増加します

肥満・内臓脂肪とCRP

一般的に肥満の目安となるのは体重ですが、体重の個人差は身長の高さにも左右されるため体格指数である体容積指数(body mass index:BMI)がその指標として用いられ、BMI25kg/m2以上は「肥満」とされます。しかし、メタボリックシンドロームの診断基準にはウエストサイズが用いられていることからもわかるように、ウエスト周囲径が増大する内臓脂肪肥満が高血圧、糖尿病、脂質異常と関連してさまざまな疾患の発症に関与しています。

内臓脂肪型肥満における脂肪組織は単なるエネルギー貯蔵器官としてのみならず、アディポサイトカインを活発に産生・分泌します。肥満状態の脂肪細胞においては、IL-6TNT-αなどの炎症性アディポサイトカインが過剰に産生され、善玉アディポサイトカイン産生量が低下しています。アディポサイトカインの産生調節には免疫担当細胞であるマクロファージが関連しますが、脂肪細胞が肥大化すると炎症性マクロファージが増加し、逆に非肥満の脂肪組織に存在する炎症抑制性マクロファージが減少するというアンバランスが起きます。主にIL-6を刺激物質として肝臓から産生され、IL-1やTNF-αといった炎症性サイトカインにも刺激されるCRPも脂肪細胞の影響を受けるため、肥満状態においてCRPは増加します。抗炎症性サイトカイン作用をもつアディポネクチンは、CRPをはじめIL-6,TNF-αとは負の相関を示します。

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