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現在国内でCKDの標準的なガイドラインとなっている、日本腎臓学会の「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018」におけるCKDの定義の1)では、尿異常、画像診断、血液、病理での腎障害の存在が明らか、特に0.15g/gCr以上の蛋白尿(30mg/gCr以上のアルブミン尿)の存在が重要とされています。しかしながら、尿アルブミンの定量検査は健康保険での適応が糖尿病性腎症に限られているため、CKDの重症度分類での蛋白尿区分では、原疾患が糖尿病の場合は尿アルブミン定量(尿アルブミン/Cr比)が、それ以外の疾患では尿蛋白定量(尿蛋白/Cr比)が用いられます。
蛋白尿のスクリーニングとしては、尿試験紙による定性・判定量検査が健康診断をはじめとして広く用いられています。CKD診療ガイドライン2018のCQ2「尿蛋白1+以上の健診受診者医療機関への受診が推奨されるか」では健診受診時に尿蛋白1+以上の受診者は−や±の受診者と比べてESKDに至るリスクのみならず、心血管死や総死亡のリスクも高いことが示されています。医療機関での診療を受けることにより、これらのリスクを軽減できる可能性があるため受診が推奨される、エビデンスレベルC1とされています。また、「CKD診療ガイド2012」ではCKD患者を腎臓専門医は紹介するタイミングとして、尿試験紙で尿蛋白2+以上および尿蛋白1+以上かつ尿潜血1+以上があげられています。
現在、国内の尿試験紙では半定量値表示が推奨されており、定性値を付記する場合30mg/dLを1+にすることになっています。尿濃縮の影響はあるものの、CKD重症度分類の尿蛋白区分と試験紙定性・半定量値の大まかな対応は、A2(微量アルブミン尿・軽度蛋白尿)は試験紙で15mg/dL(±)、A3(顕性アルブミン尿・高度蛋白尿)は試験紙で30mg/dl(1+)以上となり、腎健診受診者に対する保健指導、医療機関紹介基準に関する提言をふまえてCKD診療ガイドライン2018にもこの」基準が記載されています。しかしながら、A2レベル以上を検出する能力において、尿試験紙蛋白の特異度は高いものの、感度は不十分であるとの報告が多く、微量アルブミン尿(アルブミン・クレアチニン比=30mg/gCr)以上の検出における試験紙±以上の診断性能については一般集団を対象とした報告をまとめたものによれば、陽性尤度比は非常に良いので、陽性であれば微量アルブミン尿以上の蛋白尿があると考えて良いが、陰性尤度比は悪いので、尿試験紙で蛋白が出ていなくても、微量アルブミン尿は否定できないことになります。
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