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尿中α1-マイクログロブリン

尿中α1M測定は、肝実質細胞障害の程度や予備能を反映し、腎糸球体、尿細管機能障害の指標として臨床上有用性があります。

尿中α1-マイクログロブリン

α1-マイクログロブリン(α1M)は、分子量約30,000、糖含量約20%の蛋白質で、血中では主として低分子型と、IgAと共有・非共有結合した高分子型α1Mより構成されています。一方尿中に認められるα1Mは、慢性腎不全患者尿の一部を除いて、大部分は低分子型α1Mより成り立っています。
α1Mは主に肝臓で産生され、腎糸球体基底膜を容易に通過して近位尿細管より再吸収・異化され、正常ではほとんど尿中には排泄されません。したがって尿を測定対象として尿細管障害、腎糸球体障害の局在・鑑別診断のマーカーとして利用されます。

血清での測定では、腎糸球体濾過能、肝機能の評価としても利用されます。しかし、α1MはIgAと共有、非共有結合をしており、IgA濃度の増加と血中からのクリアランスの低下により、その血中濃度は上昇するため、IgAの変動にも影響を受けやすいことから注意が必要です。

検査材料:部分尿
測定方法:ラテックス凝集免疫測定法
基準値:単位(mg/L)M 1.0〜15.5 F 0.5〜9.5

・高値を示す病態
急性及び慢性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、IgA型多発性骨髄腫
・低値を示す病態
肝硬変、劇症肝炎

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