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シトルリン-アルギニン経路とアルギニンーオルニチン経路

アルギニン代謝系は臓器関連において重要です。アルギニン-NO-シトルリン(NO生成)系、アルギニン-ADMA-シトルリン(ADMA生成)系はともにシトルリン-アルギニン経路と連結します。

シトルリン-アルギニン経路とアルギニンーオルニチン経路

アルギニン代謝系は臓器関連において重要です。アルギニン-NO-シトルリン(NO生成)系、アルギニン-ADMA-シトルリン(ADMA生成)系はともにシトルリン-アルギニン経路と連結します。シトルリン-アルギニン経路は主に血管、腎臓で起こります。アルギニンがシトルリンより再生され、血管内皮はこの経路を利用してNO合成を維持できます。酸化ストレス亢進は血管内皮における再生利用を滅弱させ、内皮由来NOを低下させます。

Arginaseは尿素サイクルの最後の酵素であり、アルギニンを加水分解してポリアミン、プロリンを生成させます。ArginaseIは主に肝臓に存在し、arginaseIIは主に(肝臓外の)ミトコンドリアに存在します。アルギニンを基質として共有するNOSとarginaseは互いにその機能を調節しあいます。ArginaseIは炎症病態などで血管内皮細胞、平滑筋細胞、マクロファージなど多くの細胞で誘導されます(arginine steal phenomenon)。NOS、arginaseIがともに活性上昇した場合、アルギニン低下のためNOSはuncouplinをおこしNOが低下してO2-生成が増加します。気管支炎などの患者で血中ArginaseIは高値を示し、気道炎症などの動物モデルでArginaseI阻害薬の効果も認められます。
NOの生成、ADMA生成の2経路、シトルリン-アルギニン経路は尿素サイクルとともに複雑に絡まりますが、このことが血管・腎臓を中心とする臓器ネットワークに関連します。古典的なアミノ酸分画が代謝や栄養環境の指標だけでなく、血管内皮機能、酸化ストレス環境を評価するうえで役立つことが注目されています。

※ADMA増加が発症と進展に関与するとされる疾患や病態
・加齢/老化
・塩分摂取/高血圧
・高コレステロール血症
・高トリグリセリド血症
・高ホモシステイン血症
・インスリン抵抗性/高血圧
・本態性高血圧
・肺高血圧症
・冠状動脈性心疾患/心不全
・血管性疾患/脳卒中
・肝臓病/肝不全
・腎臓病/腎不全
・多臓器不全
・妊娠高血圧症候群
・甲状腺機能亢進症
・感染症

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