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S100タンパクは、神経・皮膚・唾液腺・脂肪・軟骨などの正常な細胞に発現します。これらの細胞に由来する腫瘍や、特定の疾患の病変部でもS100タンパクが産生されていることがわかり、そのタンパクの局在や機能に関する研究は現在進行形で活発です。
1955年にウシの脳から、分子量約20kDaの酸性タンパクが精製されました。このタンパクは、100%飽和状態の硫酸アンモニウム溶液と混合しても析出せずに可溶(ssoluble)という性質を有しており、これがS100タンパクの名称の由来になっています。
近年、S100タンパクはS100A1〜16、S100B、S100G、S100Zと20種類に分類されており、これらは“S100ファミリー”と総称されます。
1)先天性プロテインS欠乏症・異常症
日本人は先天性プロテインS欠乏症の発症頻度が高く、欧米人の0.16〜0.21%に対して1.12%となっています。病型分類としては産生異常により遊離型抗原量が低下し、結果として活性値も低下する1型と、遊離型抗原は保たれているが、活性値が低下する異常症を分類する2型に分けられます。
2型に分類される分子異常症として有名なものにプロテインS-Tokushima(P.Lys196Glu)というバリアントがあります。日本人特有のバリアントで人口の約2%に存在し、静脈血栓症リスクを4〜9倍に上昇させるといわれています。
先天性プロテインS欠損症は、わが国では2万9,000人に1人の発症頻度で、血栓症や下腿部壊瘍、深部静脈血栓などプロテインC欠損症と酷似した臨床症状を示します。しかし、PTやAPTTなど通常の凝固系スクリーニング検査では、ほとんど異常値を示さないことから、血中プロテインSの測定は血栓症の素因診断やプロテインC欠損症との鑑別診断に有効です。
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