わが国で最も広く利用されてきたスクリーニング検査は改訂長谷川式簡易知能評価スケールで、所要時間は10分程度です。満点は30点で、記銘力に関する配点が多く、アルツハイマー型認知症の検出に向いていますが。図形や文字を読んだり書いたりする課題がないのが弱点です。
世界的なスクリーニング検査はミニ・メンタル・ステート検査(mini-mental-state examination*:MMSE)です。最近は、わが国でもMMSEが採用されること多く、所要時間は6~10分程度です。満点は30点で、記銘力に関する配点が少なく、計算課題(100-7を5回繰り返す)の提示や集計の方法が必ずしも一定していない問題があります。
これらの認知機能検査はスクリーニング用で、そのスコアに着目するだけでなく、検査中の反応を見ながら必要な課題を適宜追加して評価とします。また、MMSEでは24/23点をカットオフとし、23点以下を認知症の疑いとしますが、教育歴や職歴はスコアに影響し、高学歴では認知症でも30点ということもあります。
詳細な認知機能検査としてADAS-Jcog(Alzheimer disease assessment scale-cognitive component-japanese version)があります。これは実施に1時間程度を要するので、スクリーニングに使われることはなく、正確な重症度の評価や治療研究などに利用されます。認知症の前段階といわれる軽度認知障害(mild cognitive impairmente:MCI)という病態があります。MCIの同定は認知症の早期対処のターゲットとして有用です。このスクリーニングとして、血液検査でMCIスクリーニング検査を行うこともできます。
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