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急性腎障害(AKI)によって急速に腎機能が低下することで、心不全の憎悪が起こります。腎機能の低下は水・ナトリウムの貯蔵、高カリウム血症などの電解質異常や、尿毒素の蓄積をきたし、これらが不整脈や急性冠症候群(ACS)などを引きおこします。したがってType3では、特にACSの診断と尿毒素の蓄積量の評価が重要となります。
1)急性冠症候群(ACS)の検査
ACSは不安定狭心症、急性心筋梗塞(acute myocardinal infarction:AMI)などを指す総称であり、発症早期の的確な診断が予後を左右するため重要となります。この診断には、心電図所見(ST-T変化、Q波あるいは陰性U波の有無)や血液生化学検査として心筋に特異的なトロポニンTまたはトロポニンIの血中濃度が用いられます。しかし、トロポニンTやトロポニンIは心筋障害発生から血中濃度が上昇するまで3〜6時間かかるため、近年ではより早期に上昇する心臓型脂肪酸結合蛋白(human heart fatty acid binding protein:H-FABP)の利用が増えています。
2)尿毒症、特にインドキシル硫酸(IS)の検査
トリプトファンの終末代謝産物であるインドキシル硫酸(IS)は腎臓から排泄されるため、健常人では血中濃度が1.87μg/mL以下と低濃度で維持されています。しかし、慢性腎臓病(CKD)の進行に伴い排泄能が低下すると、血中濃度が増加します。ISに関する臨床研究において、CKDステージ進行に伴いISの血中濃度が増加していること。IS濃度が高い患者ほどCKDの進行が速いこと。冠動脈疾患を有する患者のIS濃度は健常人と比較して有意に増加していることが明らかにされています。
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