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QT延長症候群(long QT syndrome:LQTS)は、心電図にT波の形態異常を伴うQT延長を認め、特徴的な心室頻拍や心室細動などの重症心室性不整脈を生じて、めまいや失神などの脳虚血症状や突然死を引き起こす症候群です。大きく先天性と二次性に分けられ、先天性の多くの方に遺伝性を認めます。患者の50〜70%に心筋再分極に関与する蛋白の遺伝子変異が同定され、遺伝子変異のサブタイプによって有効な治療方法が異なり、テーラーメイド医療(*)が実施されている疾患です。
先天性QT延長症候群遺伝子解析は、血液から抽出したゲノムDNA中の検査対象遺伝子(KCNQ1、KCNH2、SCN5A)のタンパク質コード領域であるexonとそのintron境界部分の塩基配列を次世代シークエンス(NGS)法により決定し、得られた塩基配列を公開されているヒトゲノムリファレンス配列(GRCh38/hg38)と比較し、低出現頻度(データベース上1%以下)のバリアント(塩基置換と短い塩基配列の挿入と欠失)の有無を検出します。
本項目は、診断補助や治療方針決定の一助となる重要な遺伝子検査です。
検査材料:EDTA-2Na 血液5.0 mL
測定方法:次世代シークエンス(NGS)法
(*)テーラーメイド医療
患者のゲノムを調べ、その情報に基づいて投薬や治療を行う次世代の医療体系を指します。まるで体型をきちんと測定した上でピッタリの洋服を仕立てるように、患者のゲノムの型に合わせて、薬の種類や量そして治療法などを個別に選定することから、このように呼ばれています。個別化医療、オーダーメード医療とも同義です。「病気ごとにほぼ画一的な投薬・治療+医者のさじ加減」で行われている現在の医療体系(レディメード医療)と比較して、患者個人個人に対して副作用の少ない投薬や効果的な治療法がゲノム情報に基づいて選定できるため、テーラーメード医療の早期実現が期待されています。
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