腎臓は生体内のナトリウムバランス維持や、レニンなどのホルモン産生により循環血液量を調整していることから、血圧の調整において重要な臓器であり、その機能異常は容易に高血圧の原因となります。腎臓の実質障害や腎機能の低下に伴い発症する高血圧を腎実質性高血圧といい、高血圧全体の2~5%を占めるとされており、本態性高血圧を除いた二次性高血圧のなかでは高い頻度を示します。
現在、わが国では成人の8人に1人が慢性腎臓病(CKD)に罹患しているといわれており、これらは進行すると腎実質性高血圧の原因となります。また高血圧そのものが腎機能障害の憎悪因子であり、さらに腎機能が低下するするという悪循環が生じます。
二次性高血圧は特定の原因によって生じる高血圧であり、本態性高血圧とは病因・病態・治療法が異なります。二次性高血圧は少なくとも全高血圧患者の10%以上とされており、特に18~40歳の若年者の高血圧では30%に上るとの報告もあります。
成人においては、腎実質性高血圧、腎血管性高血圧、アルドステロン症、睡眠時無呼吸症などが原因となります。二次性高血圧は通常の治療で降圧が不十分な治療抵抗性高血圧を呈することが多い一方で、原因に対する適切な治療により効果的な降圧が期待できるため、高血圧の患者では二次性高血圧の要因がないか常に疑い、必要に応じて検査を行うことが重要です。本態性高血圧では濃厚な高血圧の家族歴があり、血圧は20~30歳代から徐々に上昇し、加齢に伴い高値となることが多く、若年発症、50歳を過ぎてからの急な血圧上昇、重症高血圧、治療抵抗性高血圧の場合は二次性高血圧の存在を積極的に疑い、精査を行う必要があります。
腎実質性高血圧の多くは腎機能低下によるNa貯留や、レニン・アンギオテンシン系の亢進および交感神経系の亢進により高血圧を発症しますが、多発性嚢胞腎(PKD)では高血圧が腎機能低下に先行することが多くみられます。
▽腎実質性高血圧 のキーワード
▽次の記事、前の記事
サイトについて
このサイトは「健康診断・血液検査MAP」の新規記事を掲載しています。 過去の記事はこちらから閲覧できます。当サイトのRSS
新着アイテム
ジャンル
Copyright (C) 2008
by 健康診断・血液検査MAP2