尿中Clが少ない時は脱水になっていると予測されます。血圧が下がっている危機状態であると判断し、顆粒細胞にシグナルを送り、レニンを放出します。レニンはこの他にアドレナリンによるβ1受容器刺激でも放出が促進されます。出血などで急に血圧が下がった時に交感神経が興奮し。血管を収縮させる以外にも、レニンを介して凝固、血管収縮を起こさせる防衛反応といえます。
レニンそのものは酵素であり、直接血管や凝固系に働くのではなく、肝臓で作られたアンギオテンシノーゲンをアンギオテンシンIに分解し、さらに変換酵素によりアンギオテンシンIIを産生させます。この経路を使いアンギオテンシンIIがその受容体に結合すると、血管収縮や血液凝固が生じます。
このように、レニンによる作用は時間のかかる作用であり、出血時に交感神経が一過性に興奮した後のフォローアップに使われると考えられます。また、このメカニズムの異常は腎血管高血圧で他の臓器は血流が保持されているにもかかわらず、腎のみ血流が低下した際にレニン産生が亢進し、全身の高血圧症になる病態で認められます。
レニン活性(PRA)測定は,その異常な亢進または抑制が二次性高血圧症の診断に役立ちます。また、高血圧以外の電解質代謝異常症の診断にも有用で、本態性高血圧症の病態に応じた降圧薬の選択に有用です。また,循環血液量の欠乏(脱水)と過剰(溢水)の目安となり、高PRA血症は心筋梗塞の危険因子であることから予後予測に参考となります。
検査方法:RIA2抗体法
検査材料:EDTA血漿
基準値:単位(ng/mL/hr)臥位0.3~2.9 立位0.3~5.4
・減少する疾患
ミネラルコルチコイド分泌性副腎皮質腫瘍、原発性アルドステロン症、特発性アルドステロン症
・上昇する疾患
アジソン病、ネフローゼ症候群、バーダー症候群、レニン分泌性腎腫瘍、悪性高血圧、経口避妊薬投与による高血圧症、腎血管性高血圧、両側副腎摘出者
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