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交感神経が活性化し、カテコールアミンが放出されることでα受容体を介した血管収縮が生じます。同時に心筋も刺激され、心拍出量が増加します。頸動脈、大動脈にある圧受容器は血圧変動を感知し中枢にシグナルを送ります。血圧低下時には橋、延髄から交感神経を活性化させ血圧維持の方向に反応する一方、血圧上昇時には視床下部、大脳皮質経由で副交感神経を介して降圧の方向に向かいます。
このような急性の血圧上昇は、褐色細胞腫発作的にカテコールアミンが分泌される例で認められる発作性高血圧に当てはめることができます。そのため、褐色細胞腫ではβ遮断薬を単独で投与すると、カテコールアミンがα受容体の作用することで末梢血管抵抗をさらに上昇させ、血圧をさらに上昇させる方向に向かうため、β遮断薬の単独投与は禁忌とされており、α受容体遮断薬と併用されます。
急性の血圧上昇は、採決時、排尿時などに失神発作が起きることにもあてはまります。採血など強い精神的刺激により大脳皮質から視床下部を介した副交感神経刺激、あるいは排尿後の副交感神経の活性化による心拍数の低下と副腎髄質からのエピネフリン放出による血管拡張によって一過性の低血圧が生じます。
さらに、脱水や出血時には体液量が減るため低血圧になりますが、われわれには生命維持のために低血圧にならないようにするメカニズムが備わっています。腎臓ではナトリウム(Na)、クロール(Cl)濃度をモニターして調節しています。その中心は傍糸球体装置で、傍糸球体装置はいくつかの細胞から成り立っていますが、ここでまず驚くべきことに密集斑(マクラデンサ)細胞が尿中のNa濃度ではなく、Cl濃度を感知していることです。尿中のClが上昇するとメサンギウム細胞が糸球体輸入細動脈の平滑筋に対してアデノシン5’-三リン酸(adenosine 5'-triphosphate:ATP)を介して細動脈の抵抗を上昇させ、糸球体内圧を低下させることで濾過量を減らす方向に働きます(TGフィードバック)。これは尿中に塩化ナトリウム(NaCl)が漏れすぎていると判断し、体内にNaClを保持しようとする原始時代の名残の反応といえます。TGフィードバックの異常で過剰に反応し、輸入細動脈抵抗が高い状態が続くと高血圧になりえますが、臨床的にそのような病態を知るすべは今のところありません。
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