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血圧とは、心臓から送り出された血液が、 血管の壁に与える圧力のことで、心臓が収縮すると、全身に血液が送られて血圧は高くなります。また心臓が拡張すると、全身から血液が戻ってきて血圧は低くなります。この体液循環は動物全てにあるものであり、動物の多くは出血・脱水など血圧低下の危機にさらされてます。人間もその進化の歴史から考えると、塩分不足による脱水、外傷などによる出血の危機に長いことさらされていたため、血圧を維持する機構が太古より備わってきました。すなわち、塩分が摂取できない時でも体液量を維持するメカニズムや、出血時には血管を収縮させ、また血液を凝固させることで出血量を最小限に抑えるメカニズムです。塩分が摂取できない時、腎臓において糸球体濾過量のみならず尿細管でのナトリウム、水の再吸収の調節により体液量を維持します。
また、出血時には血管収物質かつ凝固促進因子、たとえばカテコールアミン、アンギオテンシンIIといったホルモンとその産生酵素、受容体がかかわっています。しかし現代では、我々は過剰な塩分にさらされ、出血のリスクは著しく減少した為、本来の血圧維持機構が高血圧発症の原因となっていると考えられます。
血圧は血流量、すなわち体液量と血管抵抗の積で規定されます。体液量をコントロールする主な臓器は腎臓であり、腎臓からのナトリウム排泄能力が重要です。腎臓でのナトリウム排泄を抑制する因子として、レニン・アンギオテンシン・アルドステロン系、交感神経系、キニン・カリクレイン系など多くのものが知られています。また、遺伝的に尿細管のナトリウムチャネルの異常がある場合や、加齢による腎機能低下もまたナトリウム排泄を低下させ、体液量を増加させます。
一方、血管抵抗を規定する因子としては、アンギオテンシン、交感神経、エンドセリンといった血管収縮と一酸化窒素(nitric oxide:NO)、一酸化炭素(caebon monoxide:CO)、ブラジキニン、プロスタグランジン、アドレノメデュリンといった血管拡張系因子のバランスが重要と考えられています。
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