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血小板・白血球および血管内皮細胞は、活性化された際に微小な膜小胞体を遊離することが知られています。この膜小胞体は細胞の内部顆粒や膜性微粒子、および機械的破壊によって生成された膜のフラグメントを含み、マイクロパーティクル(microparticle:MP)と呼ばれています。MPは生成の起源となった細胞に含まれる特異的な膜抗原を含んでおり、検出にはこれらの抗原の違いが重要となります。ぢ部分のMPは血小板に由来するもの(platelet-derived MP:PDMP)ですが、近年、単球に由来するMP(monocyte-derived MP:MDPD)が、その強力な凝固活性を示すことから注目されています。MDMPの凝固活性は組織因子に依存しており、主に外因系凝固を促進する物質として働いています。また、MDMPは糖尿病、急性心筋梗塞、尿毒症、播種性血管内凝固症候群(DIC)などの血栓性疾患において検出されますが、最近は広範な臨床領域でMDMPの検出がなされ、血管病変のメカニズムを考えるうえで最も注目されている物質の一つです。
心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患、また脳梗塞や脳出血などの脳卒中を含めた動脈硬化性疾患と炎症反応に関する報告は多くあります。健康な状態におけるCRP値は将来的な動脈硬化性疾患の発症に強く関与し、また。疾患の発症後のCRP値は重症度とも関連します。動脈硬化性病変を有することは動脈壁に炎症反応にを起こしていることを示すことから、複数の冠動脈病変を有する患者においてはより高感度CRPの値が高くなり、また心筋梗塞の発症による死亡などの心血管イベントが起こりやすくなります。
動脈硬化巣、一般的にプラークと呼ばれる病変は動脈壁の内腔に盛り上がる斑状の組織であり、中心に壊死組織(脂質コア)を含み表面はコラーゲンを主成分とする線維性被膜で覆われています。プラークの構成成分には脂質や血管平滑筋細胞、コラーゲンなど細胞外基質の他に、マクロファージやリンパ球などの炎症性細胞が含まれます。
動脈壁において、本来は血液成分が侵入することを防ぐはずの血管内皮細胞が高血圧や糖尿病、脂質異常の状態に曝されることで炎症反応を起こして接着因子を発現します。血液内の単球が血管内皮細胞に接着・回転し、内皮細胞の隙間から内皮下へ遊走・浸潤していきます。侵入した単球はマクロファージへと分化・成熟しますが、別名「貪食細胞」とも呼ばれるマクロファージは、過剰となったLDLコレステロールが変性した「酸化LDL」を取り込み、泡沫細胞となって大量のコレステロールエステルを細胞内に蓄積します。CRPは免疫複合体C1qの活性化を介して補体の古典的経路を活性化させ、酸化LDLに結合してマクロファージから泡沫細胞への形質転換を促します。
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