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健康診断はスクリーニングが目的なので、基準となる状態から外れた場合は、異常と判断します。健常ではない状態をみつけるのが目的であることから、この”基準となる状態”は健常者です。ここには日常臨床とは異なる側面があります。
健康診断は検査項目が規定されていて追加することができないので、見落としを避けるために異常なしの幅を狭く、異常ありとする幅を広くしています。しかも、異常ありをさらに分類して「健康診断の判定用語」の判定(要再検査・要経過観察・要治療・要精密検査など)をつけます。
この分類をする際の境界となる値に基準範囲を適応してしまうと、5%の人については常に異常と判断される一方で、予防医学的に介入が必要な場合でも、基準範囲に含まれていれば異常なしとされて見落とされることになります。また、臨床判断値を適用すると、医学的に介入が必要な場合だけが対象となるだけでなく、臨床判断値が存在しない項目もあるため、どちらの値についても異常と判断した結果を、さらに分類するための基準となる値は示されていません。
このため基準範囲や臨床判断値をそのまま判定の境界値として当てはめるのではなく、機銃範囲や臨床診断値、各種学会の公表しているガイドライン、特定健診で用いられる値などから、新規に境界値を作成したものが日本人間ドック学会の提唱する判定区分です。
したがって、判定区分に示された各分類の境界値は、十分に検証されたものばかりでなく、疫学的な根拠が低い項目もあります。しかし、境界値が明確なため、受診者に説明しやすいことや、コンピューターにより自働的に判定をつけられること、分類するための境界値を示した文献が他にないといった理由から、多くの施設でこの判定区分を利用して判定を決定しています。
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