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ファブリー病では主に以下のような症状がみられます。
1)四肢末端疼痛・低汗症
いずれの症状も小児期から認められます。神経周膜のGL-3の沈着により四肢末端に数分から数時間持続する激しい疼痛発作や持続的な灼熱緩を伴う感覚異常を感じます。また、GL-3により汗腺細胞、自律神経が変性し、発汗低下が起こります。熱がこもりやすく、熱中症のような症状を呈し、成人後の職業選択においても大きな制約要因となります。
2)角膜混濁
角膜上皮細胞に糖脂質が沈着し、特徴的な灰色状の渦巻状角膜混濁を認めます。肉眼では観察できませんが、スリットランプ検査で確認できます。角膜混濁で視力障碍を生じることはありませんが、網膜病変を合併することがあります。
3)腎障害
糸球体上皮細胞、尿細管上皮細胞などに糖脂質が沈着し、電子顕微鏡で渦巻状のゼブラ小体と呼ばれる沈着物が観察されます。GL-3の沈着に伴い糸球体濾過量の低下と蛋白尿を認め、腎不全に進行します。尿沈渣では糖脂質が沈着した上皮細胞が脱落し、マルベリー小体・マルベリー細胞として認められます。
4)心障害
心筋細胞に糖脂質が進行的に蓄積し、全周性の左室肥大または右室肥大を認めます。病気の進行とともに左室肥大の退縮や左室後壁基部に限局した非薄化が生じ、心筋細胞の脱落や線維化が起きます。不整脈や弁膜症を認めることもあります。臨床的には、肥大型心筋症・原因不明の左室肥大と診断された患者での鑑別がきわめて重要となります。
5)脳血管障害
血管内皮細胞や平滑筋細胞への糖脂質の沈着による血管内腔の狭小化が頭蓋内小動脈の進行性閉塞の原因となります。ファブリー病での特徴的な所見はありませんが、若年性の梗塞、血管の拡張・蛇行がみられます。
6)その他の症状
体幹に0.1〜5mm大の赤色斑点出現する被角血管腫や、難聴、めまい、消化器症状を呈することもあります。
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