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cfDNAとctDNA

cell-freeDNA(cf-DNA)は体内の細胞が死滅する際に、ゲノムDNAが細胞外に放出され血液中に短く断片化した遊離DNAです

cfDNAとctDNA

cell-freeDNA(cf-DNA)は体内の細胞が死滅する際に、ゲノムDNAが細胞外に放出され血液中に短く断片化した遊離DNAです。cfDNAの多くは血球系細胞の死滅に由来し、健常人でも検出されます。cfDNAはおもに肝臓と腎臓で代謝排出され、その半減期は数十分〜数時間と短時間です。腫瘍形成など病的状態ではcfDNA量は増加するため、cfDNA量によるがん患者の病勢診断も試みられていますが、炎症などでも増加するため、特異性は高くありません。

一方、担癌患者では癌細胞から遊離した腫瘍由来のDNAも血中を循環しており、区別してcirculating tumor DNA(ctDNA)と呼ばれています。ctDNA検査では個々の患者の癌に特異的な変異を標的とするため偽陽性が少ないことや、その半減期が短いことからリアルタイムの体内腫瘍量の判定が可能です。ctDNA量が臨床的な治療効果と連動し、既存の腫瘍マーカーや血中循環癌細胞より鋭敏かつ正確に体内腫瘍量を反映することが報告され、近年多くの研究が行われています。ctDNA検査は組織生検に比較して簡便で低侵襲であり、生検不能時の血液検体からの診断や複数回検査が可能です。また、組織生検では腫瘍の一部の変異プロファイルしか得られないのに対し、cfDNAは検査時の体内腫瘍細胞の腫瘍ゲノム全体を反映すると考えられています。

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