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トリプシン(trypsin)は膵臓から分泌される201個のアミノ酸からなる分子量22,900の蛋白分解酵素です。トリプシンは膵以外の臓器には存在しないため、膵特異性はアミラーゼやリパーゼより高く、膵疾患の検査に有用です。
膵臓には、カチオニックトリプシンと、アニオニックトリプシンおよびごく少量のメゾトリプシンが含まれています。血中トリプシンの主たるものはトリプシノーゲン(Tgn)であり、活性化されたトリプシンは、α2-マクログロブリン(α2-MG)とトリプシンの複合体(α2MG-T)およびα1-アンチトリプシン(α1-A)との複合体(α1A-T)を形成し,トリプシン単独では血中には存在しません。
一般に酵素は活性値を測定することが多いのですが、血中でのトリプシンはα1-アンチトリプシンやα2-マクログロブリンなどの阻害因子と結合しています。また、血中にはほかに活性阻害物質(PSTI)や類似活性酵素も共存する為、酵素活性は特異的に測定できず、免疫活性で蛋白量が測定されます。
血中トリプシンの測定は膵臓の炎症と腫瘍、膵管の閉塞、膵臓外分泌機能の残存量などの指標となり、膵臓疾患の診断、経過観察などに利用されます。
性差、日内変動幅は小さく、膵疾患、とりわけ急性膵炎で高値をとり、上昇期間がアミラーゼより長いため、特に回復期の膵炎診断に有用とされています。
検査材料:血清
測定方法:ELISA
基準値:単位(ng/mL)100〜550
・高値を示す病態
急性肝炎, 急性膵炎, 慢性腎不全, 慢性膵炎初期の活動期及び再発時
・低値を示す病態
インスリン依存性糖尿病, 慢性膵炎, 膵実質の破壊が進んでいる場合(膵線維症・膵石症)
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