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膵臓疾患 免疫マーカーと腫瘍マーカー

自己免疫性膵炎(AIP)ではIgG70%、IgE30%程度の上昇を認めます。IgGはIgG1-IgG4の4つのサブクラスから構成され、IgG4は健常者では全IgG分画の4〜6%の比率で最も低い

膵臓疾患 免疫マーカーと腫瘍マーカー

免疫マーカーIgG・IgG4・IgE
自己免疫性膵炎(AIP)ではIgG70%、IgE30%程度の上昇を認めます。IgGはIgG1-IgG4の4つのサブクラスから構成され、IgG4は健常者では全IgG分画の4〜6%の比率で最も低い。AIPでは高IgG4血症は、68〜92%に認められ、その感度は80%です。AIPでは膵癌との鑑別困難例が存在しますが、膵癌を対象とした特異度は98%であり、血清診断においてはもっとも診断価値が高いのですが疾患特異的ではありません。ステロイド治療後には著明な低下を認め、再燃期に再上昇するなど疾患活動性も反映しています。
腫瘍マーカー
CA19-9
DUPAN-2
SPAN-1
CEA
・シアリルSSEA-1、シアリルLex-1抗原(SLX)
・NCC-ST-439
・シアリルTN抗原(STN)

各腫瘍マーカーの膵癌検出感度はCA19-9:70〜80%、SPAN-1:70〜80%、DUPAN-2:50〜60%、CEA:30〜60%、CA50:60%、CA242:60%と報告されていますが、進行癌を除くと陽性率は低くなります。偽陽性を示す症例ではCA19-9の前駆体であるDUPAN-2が有用です。DUPAN-2の膵癌での陽性率は50〜60%です・2cm以下の膵癌におけるCA19-9、SPAN-1、DUPAN-2の陽性率はそれぞれ53.2%、50.7%、37.2%です。CA19-9≧200U/mLかつSPAN-1≧37U/mLは膵癌術後の再発、リンパ節転移の予測因子となります。腫瘍マーカーは早期発見には適していませんが、フォローアップ、予後予測、治療効果の予測には有用です。これらの糖鎖抗原は何らかの要因で産生量が少ない場合には担癌患者でも高値を示さない可能性があり、また良性疾患であっても高値を呈する場合があることに留意が必要です。

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