') ?>
アミラーゼは多糖類のα-1、4グリコシド結合を加水分解する消化酵素です。ヒトアミラーゼはおもに膵臓と唾液腺に由来しますが、その他に、肝臓・心臓・卵管などの臓器にも存在することが知られています。また、アミラーゼには2種類のアイソザイムがあり、それぞれ由来別に膵型(P型)アミラーゼ、S型に分類されます。
P型アミラーゼの高値は、膵特異的なアミラーゼの異常な血中逸脱、もしくは尿中排泄障害を示します。急性膵炎の診断基準の1項目に含まれており、異常高値の場合は急性膵炎の存在を念頭において早急に臨床症状を確認し、リパーゼなどの他の膵酵素の測定、ならびに白血球、CRPなどの炎症所見、肝胆道系酵素を測定します。造影CTなどの画像検査で膵炎の重症度判定、原因検索を行います。急性膵炎の際にはP型アミラーゼは発症後1〜12時間以内に上昇し、1〜2日でピークを示し、3〜4日で正常化することが多い。膵外分泌組織が保たれている早期・代謝期慢性膵炎では、73.5%に血中・尿中膵酵素の上昇が認められ、膵外分泌機能不全が生じると感度は低いが、血中アミラーゼ、リパーゼの異常低値を呈することがあり、非代謝期であることが示唆されます。
血中アミラーゼ値が異常を呈する病態
1)高アミラーゼ血症
A、膵型アミラーゼの増加
・膵疾患:急性膵炎、膵嚢胞、膵癌、ERCP後など
・膵障害の合併:胆道系、胃、十二指腸などの疾患
・薬物:抗癌剤、DPD-4阻害薬、ACE阻害薬、サイアザイド系、ステロイド、バルプロ酸、免疫抑制剤、女性ホルモン剤、抗HIV薬
・膵液の膵外、消化管外への漏出:消化管穿孔、腸管壊死、腹膜炎、膵仮性嚢胞破裂など
・膵液・胆汁の逆流、膵胆管合流異常、腸閉塞、Lemmel症候群
B、唾液腺アミラーゼの増加
・唾液腺疾患
・アミラーゼ産生腫瘍
・術後、ショック、火傷など
・原因不明
C、両方のアミラーゼ増加
・慢性腎不全
D、マクロアミラーゼ血症
・原因不明
2)低アミラーゼ血症
A、膵型アミラーゼの減少
・膵疾患による膵実質の荒廃:慢性膵炎非代謝期
・膵全摘、膵広範切除
・重症糖尿病
B、唾液腺型アミラーゼの減少
▽膵臓疾患の臨床検査 血清アミラーゼ のキーワード
▽次の記事、前の記事
サイトについて
このサイトは「健康診断・血液検査MAP」の新規記事を掲載しています。 過去の記事はこちらから閲覧できます。当サイトのRSS
新着アイテム
ジャンル
Copyright (C) 2008
by 健康診断・血液検査MAP2