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急性膵炎の診断基準では、上部腹痛などの症状以外に、血中または尿中の膵酵素の上昇や画像検査で急性膵炎に伴う異常所見が含まれます。軽症膵炎と比較し重症急性膵炎はいまだ致命率が高く、場合によっては専門医のもとで集中管理ができる施設への転送を考慮する必要があります。このため、重症度を早期に判断することが、臨床上もっとも重要となります。
厚生労働省「難治性膵疾患に関する研究調査班」では以下のような重症度判定基準を定めています。
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急性膵炎の重症度判断基準
A、予後因子
原則として発症後48時間以内に判定することし、以下の各項目を各1点として合計したものうぃ予後因子の点数とする。
1)Base excess≦-3mEq/L、またはショック(収縮期血圧≦80mmHg)
2)PaO2≦60mmHg(room air)、または呼吸不全(人工呼吸器管理が必要)
3)BUN≧40mg/dL(もしくはCr≧2mg/dL)、または乏尿(輸液後も1日尿量が400mL以下であるもの)
4)LDH≧基準値上限の2倍
5)血小板≦10万/mm3
6)総Ca値≦7.5mg/dL
7)CRP≧15mg/dL
8)SIRS診断基準における陽性項目3
※SIRS診断基準項目
・体温>38℃または<36℃
・脈拍>90回/分
・呼吸数>20回/分またはPaO2<32mmHg
・白血球数>12000/mm3もしくは<4000/mm3または10%超の幼若球出現
9)年令70歳
B、造影CTGrade
原則として発症後48時間以内に判定することとし、1)炎症の膵外進展度と2)膵の造影不良域のスコアの合計が1点以下をGrade1、2点をGrade2、3点をGrade3とする。
1)炎症の膵外進展度
前腎傍腔:0点
結腸間膜根部:1点
腎下極以遠:2点
2)膵の造影不良域
膵を便宜的に3つの区域(膵頭部・膵体部・膵尾部)に分け判定する
各区域に限局している場合、または膵の周辺のみの場合:0点
2つの区域にかかる場合:1点
2つの区域全体をしめる、またはそれ以上の場合:2点
重症度の判定:A予後因子が3点以上、またはB造影CTGrade2以上の場合を重症とする
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