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アミラーゼはデンプンを分解する酵素で、血中のアミラーゼには分子量約5万4,000〜6万の膵由来のP型と分子量5万6,000〜6万5,000の唾液腺由来のS型のアイソザイムが存在します。
アイソザイム分析が意義を有するのは膵由来酵素(P型)の上昇と、持続的な原因不明の高アミラーゼ血症の検索です。急性膵炎では発症後24時間以内に血中に急速にP型アミラーゼが増加し、時間の経過とともに尿中に移行し回復すれば数日で基準値に戻る場合が多いとされています。
尿中アミラーゼは、血清アミラーゼ値と並行することが多いのですが、血清よりも高値が長く続くため、急性膵炎が疑われて血清アミラーゼの上昇が明らかでない症例や、血清アミラーゼが正常化した後の経過観察に有効です。
また、アミラーゼ・クリアランスとクレアチニン・クリアランスとの比(ACCR)は健常人では2.3±0.5%であるのに対し、急性膵炎時では14.5±6.5%と高値を示します。一方、膵疾患以外での原因不明の高アミラーゼ血症には、術後S型上昇例、腫瘍産生アミラーゼ、マクロアミラーゼなどがありますが、各バンドの出現位置に特長があるため、これらの解析には電気泳動が必要です。
マクロアミラーゼは、アミラーゼが免疫グロブリン(主にIgG, IgA)と結合し高分子化したものです。腎臓での排泄が低下するため、尿中アミラーゼは正常でも血中アミラーゼは高値を示します。また、尿中への排泄の低下に従いACCRが1%以下と著しい低値を示します。
血中アミラーゼは、1929年 Ellman らにより急性膵炎時の高アミラーゼ値が報告されて依頼、膵炎との関係でとらえられてきました。しかし、近年膵炎を伴わない高アミラーゼ血症が認識されています。これらの症例ではアミラーゼアイソザイムの測定によりS型優位であることが報告されています。このようにアイソザイムの解析により、各種高アミラーゼ血症の鑑別が容易となり治療の指針にも役立っています。
検査材料:血清
測定方法:JSCC標準化対応法
基準値:単位(U/L)21〜64
・高値を示す病態
急性膵炎、慢性膵炎増悪期、胆道系の炎症性疾患
・低値を示す病態
慢性膵炎、膵癌 (ことに末期)、膵切除後、膵切除(膵頭部十二指腸切除、膵全摘)など
※ACCR(%)=100×(尿中Amy×血中Cre)÷(血中Amy×尿中Cre)
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