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尿中アミラーゼ,尿中トリプシノーゲン2,UT-2
1)尿中アミラーゼは、血中アミラーゼと比較して有意性に乏しいとされています。双方に乖離がある場合はマクロアミラーゼ血症や腎不全の影響を考慮します。尿中へのアミラーゼ排出では、脱水や腎不全の影響を受けるため、クレアチニン・クリアランスに対する比率(amylase creatinine clearance retio :ACCR)を計算します。免疫グロブリンと結合して高分子化したマクロアミラーゼは尿中排泄が低下するので、ACCRが1%以下の場合はマクロアミラーゼ血症を疑います。
2)尿中トリプシノーゲン2(urinary trypsinogen-2:UT-2)
膵酵素であるトリプシンの前駆物質トリプシノーゲンは、急性膵炎の発症早期から尿中に排泄されます。近年、急性膵炎をより迅速かつ簡便に診断するために、試験紙状のスティックを用い、UT-2を約5分で判定可能な手法が報告されています。その感度、特異性などを含めたclinical valueは、アミラーゼ・リパーゼと比較して遜色ありません。急性膵炎におけるUT-2の診断能は、感度・特異性AUC(area under curve)・DOR(diagnostic odds retio)で血中アミラーゼと同等、血中リパーゼとは感度・特異度・AUCで同等であるものの、DORにおいてやや劣るとの結果があります。したがって、UT-2試験紙による急性膵炎の診断が適応となり、静脈採血を必要としない検査にかかる時間が短時間となります。血中膵酵素による診断能とおおむね同等であるなどの点から、血液検査を実施できない医療機関における有用性は高いのですが、検査代が高くコストがかかるため迅速に血液検査を施行できない医療機関で行われるべきとされています。
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