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BT-PABA(N-benzoyl-L-tyrosyl-p-aminobenzoic acid)試験は膵臓の外分泌機能をみる検査です。BT-PABA(ベンゾイルチロシル・パラアミノ安息香酸)を経口投与すると、膵臓のキモトリプシンが働きBT-PABAは加水分解されてBTとPABAに分解されます。その後、PABAが腸から吸収され、肝臓でグリシン抱合されたあと、尿中に排泄されます。つまり膵臓の外分泌機能が正常であればBT-PABA経口投与後、尿にPABAがでてきます。
ただし、BT-PABAは膵臓の外分泌能力の試験として用いられますが、酵素の中でもキモトリプシンンしか見ていないという問題点があります。BT-PABA試験で正常と判定されてもキモトリプシン以外の能力が正常とは限らないということです。
BT-PABA試験は、膵外分泌機能高度障害例のスクリーニングや膵疾患の消化吸収機能の経過観察に有用であるとされており、低侵襲で反復して施行することが可能ですが、軽度〜中等度の膵外分泌機能障害では陽性とならず、高度障害(80%以上の障害)で陽性となります。
感度は40〜85%、特異度71〜90%と報告されています。膵外分泌機能検査として広く臨床応用されている一方で、吸収・代謝・排泄の影響を受けるため注意を要します。
BT-PABA試験のみで疾患の本態を知ることには限界があります。偽陽性率も30%程度あり、再現性も低いとされています。
基準範囲:尿中PABA(パラアミノ安息香酸)6時間の回収率70〜100%
・高値を示す疾患
疾患特異性より検査施行上の問題が多い。薬剤(サルファ剤、サイアザイド系利尿薬、スルフォニル尿素薬など)の影響、食物(プルーン、クランベリーなど)の影響、採尿・尿量測定の誤り、その他(投薬の誤り、PABA測定法の誤り、検体ブランクの扱い方など)
・低値を示す疾患
Crohn病、肝機能障害、急性膵炎、広範囲小腸切除術後、高度の下痢、腎機能障害、慢性膵炎、膵癌、膵切除術後、慢性膵炎、その他の膵疾患(膵癌、急性膵炎、膵切除術後など)、小腸吸収障害(高度の下痢、広範囲小腸切除術後など)
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