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褐色細胞腫の診断に尿中メタネフリン2分画

メタネフリン(MN)はアドレナリン、ノルメタネフリン(NMN)はノルアドレナリンの代謝産物で、神経終末や標的細胞内においてカテコール-O-メチル転換酵素(COMT)の作用によりメチル化を受け生成されます。

褐色細胞腫の診断に尿中メタネフリン2分画

褐色細胞腫は、カテコールアミンを過剰に産生する腫瘍です。名前の由来は、重クロム酸カリウム染色を行った時に腫瘍細胞が褐色に染まることによります。褐色に染まるのはカテコールアミンを含む分泌顆粒です。
古典的な三兆候は、頭痛・発汗・頻脈ですが、その他に高血圧・動悸・不安症状・悪心・嘔吐・体重減少・視力障害などさまざまな症状がみられます。褐色細胞腫の高血圧や頻脈などの症状は、過剰に放出されるカテコールアミンによるものです。発生頻度は、持続性拡張期高血圧患者1,000人に1人といわれています。症状がなくても画像診断で副腎腫瘍として偶発的に発見されることことも多くあります。症状や副腎腫瘍から褐色細胞腫を疑った場合には、カテコールアミン過剰産生を血中・尿中カテコールアミンや代謝物測定によって証明し、鑑別診断をします。

メタネフリン(MN)はアドレナリン、ノルメタネフリン(NMN)はノルアドレナリンの代謝産物で、神経終末や標的細胞内においてカテコール-O-メチル転換酵素(COMT)の作用によりメチル化を受け生成されます。カテコールアミンが増加する疾患である褐色細胞腫や神経芽細胞腫などで、これらの尿中排泄は増加をみます。神経芽細胞腫は主に小児に好発の悪性の腫瘍であり、ドーパミンやホモバニリン酸(HVA)、VMAの上昇を伴います。
一方、カテコールアミンは起立性低血圧症等で低値をみることがありますが、感度や特異性の面で充分とはいえず、一般に低値側の検査の意義は少ないとされています。なお、MN、NMNは他のカテコールアミンと同様、冷暗所に酸性下での蓄尿が必要です。保存条件が悪いと分解を受け低値となる場合もあります。

検査材料:酸性畜尿
測定法方:HPLC
基準値:単位(mg/day)MN:メタネフリン0.04〜0.19 NMN:ノルメタネフリン0.09〜0.33

・高値を示す病態
褐色細胞腫、神経芽細胞腫、腎不全、本態性高血圧症、原発性アルドステロン症 など
・低値を示す病態
Shy-Drager症候群、家族性自律神経失調症、起立性低血圧症

※HPLC:高速液体クロマトグラフィー(High performance liquid chromatography)移動相に液体を用いる液体クロマトグラフィーで、高密度充填カラムと高圧ポンプを用いて高速かつ高精度に分離する方法

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