CKDと加齢腎には類似した病理組織学的変化が認められ、腎障害の共通した進行過程が存在することが示唆されるため、加齢腎のバイオマーカーには腎障害マーカーが有用となります。
血中バイオマーカー
1)クレアチン
腎臓に関するバイオマーカーとしては血清クレアチニンが最も汎用されていますが、クレアチニンは筋肉中のクレアチンが非酵素的脱水を受けて生成される代謝産物であり、筋肉量に比例するため、女性や高齢者では低値を示します。加齢によって腎機能が低下した場合でも、加齢によって筋肉量が減少するため。血清クレアチニン値はさほど上昇しないなど問題点も多い
2)シスタチンC
シスタチンCは高感度にGFRの低下を捉えるマーカーとして期待されています。シスタチンCは筋肉量・食事・運動の影響を受けにくいなど、クレアチニンにはない特性を持っています。高齢者の腎機能評価においても、血清シスタチンC濃度は、加齢とともに上昇するため、加齢に伴う腎機能低下も評価が可能です。
部位別の尿中バイオマーカー
1)糸球体:アルブミン、シスタチンC、β2マイクログロブリン、α1マイクログロブリン
2)近位尿細管:アルブミン、腎臓障害分子1、クルステリン、好中球ゼラチナーゼ関連リポカリン、αグルタチオンSトランスフェラーゼ、β2マイクログロブリン、α1マイクログロブリン、N-アセチル-β-d-グルコサミニダーゼ(NGAL)、オステオポンチン、シスタチンC、ネトリン1、レチノール結合蛋白、インターロイキン18、肝細胞増殖因子、システインリッチプロテイン61、Na+/H+交換輸送体3、エキソソームフェチュインA、肝型脂肪酸結合蛋白
3)ヘンレ係蹄:オステオポンチン、Na+/H+交換輸送体3
4)遠位尿細管:オステオポンチン、クルステリン、μグルタチオンSトランスフェラーゼ、N-アセチル-β-d-グルコサミニダーゼ(NGAL)、心臓由来脂肪酸結合蛋白、カルビィンディンD28
5)集合管:カルビィンディンD28
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