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加齢によってPTHの血中濃度が上昇することは知られていますが、これは必ずしも血中カルシウム濃度の低下によるものではなく、ビタミンD活性障害に起因し、副甲状腺でのPTH分泌抑制作用不全による可能性が考えられています。さらに、ビタミンD作用不全のために、高齢者では腸管からのカルシウム吸収効率の低下が認められ、二次的にRTH分泌亢進に関与すると考えられます。
高齢者のカルシウム吸収低下については、ビタミンD作用不全以外にも、カルシウム・トランスポーターであるTRPV(transient receptor potential vanilloid)5およびTRPV6の加齢に伴う発現低下による可能性が検討されています。
食物中の不溶性のカルシウム塩である炭酸カルシウムやリン酸カルシウムが腸管から効率よく吸収されるためには、酸性環境下で可溶化されることが必要です。そのため、加齢によって萎縮性胃炎が進行して胃酸の分泌が低下することや、逆流性食道炎の治療として、長期間にわたりプロトンポンプ阻害薬やH2受容体拮抗薬を継続することによってカルシウム吸収が障害される可能性が危惧されています。プロトンポンプ阻害薬の内服量と内服期間に依存して骨折リスクが高まることも報告されています。
※プロトンポンプ阻害薬:胃の壁細胞のプロトンポンプに作用し、胃酸の分泌を抑制する薬。胃酸分泌抑制作用を持つ薬剤には他にヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)があるがプロトンポンプ阻害薬はH2ブロッカーよりも強力な胃酸分泌抑制作用を持ち、分泌抑制作用は用量に依存する。H2ブロッカーよりも抑制作用が長時間持続する。
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