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アンチエイジングの観点では、カロリー制限があらゆる動物種において長寿をもたらす手段です。その責任分子は、哺乳類ではニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)依存性ヒストン脱アセチル化酵素であるsirtuin遺伝子ファミリーのSIRT1です。SIRT1は、細胞核内および細胞質に存在し、核内転写因子として、p53、PGC1α、FoxO、PPAR-γなどの分子と相互作用をすることによって、細胞周期、細胞分化、アポトーシス、インスリン/IGF-1経路などの代謝経路の調節による代謝制御など、多彩な生物学的作用を発揮することがわかっています。
カロリー制限動物では蛋白質やDNAの酸化修飾の程度も低く、ミトコンドリアからの活性酸素の発生量は、カロリー制限動物で低下しています。これらのことから、酸化ストレスの低減が抗老化作用の根源的な原因となっている可能性もあります。
腎臓においても、カロリー制限の有効性は実験動物レベルで証明されています。老齢ラットにおいて、カロリー制限によって糸球体肥大に伴う糸球体上皮細胞障害が抑制され、蛋白尿が減少し、カロリー制限ラットの腎臓では、ミトコンドリアDNAの変化、ミトコンドリア呼吸鎖機能が加齢時にも保たれ、カロリー制限は尿細管機能維持にも働いています。しかし、CKD患者の食事療法の基本は食塩制限と蛋白質制限であり、エネルギー必要量は健常人と同程度(30〜35kcal/kg/day)とされています。腎不全患者では蛋白摂取量の制限に伴う体蛋白質の異化亢進を避けるために、蛋白摂取量を制限するとともに十分なカロリーを摂取しなければなりません。この点が抗加齢治療としてのカロリー制限との間に矛盾を認めます。
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