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赤痢アメーバDNA 定性

PCR法により、検体中の赤痢アメーバDNAを特異的に検出する定性検査です。病原体自体の存在を証明する検査法として、アメーバ赤痢の診断補助に有用です。

赤痢アメーバDNA 定性

赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)はヒトに病原性をもつ腸管寄生性原虫で、感染者の5〜10%でアメーバ赤痢を発症します。
アメーバ赤痢は、イチゴゼリー様の粘血便、下痢、鼓腸、排便時の下腹部痛などの慢性的な消化器症状を伴う腸管アメーバ症と、赤痢アメーバが肝臓、肺、脳などに移行することで膿瘍を形成し重篤な症状を呈する腸管外アメーバ症に大別されます。腸管外アメーバ症はアメーバ赤痢の約1割を占め、そのうち、肝膿瘍が最も高頻度にみられます。

アメーバ赤痢は、感染症法で5類感染症(全数把握)に指定されており、症状や所見からアメーバ赤痢が疑われ、かつ、検査結果によってアメーバ赤痢患者と診断した場合には、7日以内に届出を行うことが定められています。検査方法としては、便や膿瘍液における顕微鏡下での病原体の検出、ELISA法による病原体の抗原の検出、PCR法による病原体遺伝子の検出、血清からの抗体の検出が示されています。
現在、広く用いられている検査方法は顕微鏡下での病原体の検出ですが、便の保存状態の影響を受けやすく、便中の白血球等との誤認も多く見られることが指摘されています。
この検査は、PCR法により、検体中の赤痢アメーバDNAを特異的に検出する定性検査です。病原体自体の存在を証明する検査法として、アメーバ赤痢の診断補助に有用です。

検査材料:糞便
測定方法:PCR
基準値:陰性

関連疾患:アメーバ赤痢、アメーバ性肝膿瘍

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