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抗核抗体ANA検査の推奨recommendationの必要性

3段階で行われた推奨決定のプロセスの最終段階ではDelphi法が用いられており、最終結論として表示されている25項目の推奨にはそれぞれにDelphi score(mean±SD)も記載されています。

抗核抗体ANA検査の推奨recommendationの必要性

問診、身体所見および基礎的検査で全身性自己免疫疾患(膠原病)が疑われた場合に、ANA/自己抗体の測定は必須です。実際、多くの膠原病の診断基準にはANA/自己抗体検査が含まれています。
ANAの検出は、間接蛍光抗体(indirect immunofluororescence:IF)法が主流でしたが、IF法は基本的に用手法で操作も煩雑であるため、大量の検体を高速処理するのに適した方法ではありません。ANA検査の需要がここ数十年間で急増したため、より処理能力の高い検査法が求められるようになり、技術革新と相まって酵素免疫測定法(enzyme-linked immunosorbent assay:ELISA)やALBIA法(addressable laser bead immunoassay)などの様々なANA検査法が登場しました。しかし、それらのほとんどが既知の核抗原(精製またはリコンビナント)を混合したものを抗原として使用しており、IF法とは本質が異なるものでした。さらに、異なる方法間では、感度や特異度はもちろん、結果の表現方法なども異なるため、現場の検査技師や医師の混乱を招きました。

様々なANA検査法のなかでいずれの方法が最も優れた検査法かという議論は続きましたが、2009年に米国リウマチ学会が「ANA検査のgood standardは、IF法である」という立場を表明し一応の決着をみました。その一方で、IF法は健常人の陽性率が高いことによる特異度の低さや炎症性筋疾患などでの感度の低さ、さらには手技が煩雑であることなどの問題も指摘されていました。
このようような背景からANA検査の真の標準化を求める声が高まり、欧州と米国を中心とする臨床検査技師、研究者、臨床医からなるエキスパートグループがANA検査に関するrecommendatoinを作成すことになりました。3段階で行われた推奨決定のプロセスの最終段階ではDelphi法が用いられており、最終結論として表示されている25項目の推奨にはそれぞれにDelphi score(mean±SD)も記載されています。
なお、recommendation(推奨)に似た表現として、guideline(指針)がありますが、このどちらかがより順守を求められるのかということは、多くの人が持つ疑問です。これには様々な意見もありますが、一般的にはほぼ同等と考えてよさそうです。

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ANA 自己抗体検査に関する25項目の推奨 | 抗核抗体(ANA)と抽出核抗原(ENA)という表記

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