') ?>
一般に抗核抗体と呼ばれる、細胞成分に対する自己抗体検査に関する25項目の推奨では、その記載にあたり、まず最初にANAと抽出(可溶性)核抗原(extractable nuclear antigen:ENA)についての言及があります。
ANAという呼称は現在でも世界中で広く用いられていますが、この用語はやや時代遅れであり正確ではありません。すなわち、自己免疫疾患で認められる自己抗体は、細胞質コンポーネントなどの様々な核成分以外の蛋白をターゲットとするものがあり、抗核の抗体のみではありません。
ENAに対する自己抗体の総称である抗ENA抗体についても同様で、抗ENAという用語はわが国では日常的には用いられませんが、抗Sm抗体、抗RNP抗体、抗ss-A抗体、抗ss-B抗体、抗Scl-70抗体といった疾患特異自己抗体の総称です。この抗ENA抗体のターゲットも実際には核成分のみではなく、また。可溶性のもののみとは限らないため、抗ENA抗体という用語も正確とは言えません。
このように、ANAとENAという表記は正確ではなく、やや時代遅れの用語ですが、長年広く使用されている用語の変更には、様々な手続きと時間が必要であり、現在でもほとんどの教科書や論文で使用されているため、25項目の推奨にもANAとENAという古典的な用語で記載されています。
▽抗核抗体(ANA)と抽出核抗原(ENA)という表記 のキーワード
▽次の記事、前の記事
サイトについて
このサイトは「健康診断・血液検査MAP」の新規記事を掲載しています。 過去の記事はこちらから閲覧できます。当サイトのRSS
新着アイテム
ジャンル
Copyright (C) 2008
by 健康診断・血液検査MAP2