') ?> ANA 自己抗体検査に関する25項目の推奨 - 健康診断・血液検査MAP2

ANA 自己抗体検査に関する25項目の推奨

一般に抗核抗体と呼ばれる、細胞成分に対する自己抗体検査に関する25項目の推奨

ANA 自己抗体検査に関する25項目の推奨

一般に抗核抗体と呼ばれる、細胞成分に対する自己抗体検査に関する25項目の推奨
1)全身性自己満液性疾患の診断には、ANA、抗二本鎖DNA抗体、抗ENA抗体といった一連の自己抗体検査を行う必要がある
2)ANA、抗二本鎖DNA抗体、および抗ENA抗体、全身性自己免疫疾患およびその他の自己免疫疾患診断時の自己抗体検査に含まれるべきである
3)ANA検査は全身性自己免疫疾患の診断時に最初に行われる検査である
4)ANA検査は診断目的に用いるべきであり、疾患活動性のモニタリングのために用いるべきではない。
5)IF法は、ANAのスクリーニングにおける標準的な方法である。代替法による検査を行うことも認めるが、その場合には偽陰性や擬陽性の率が異なることに注意しなければならない。したがって、臨床的に全身性自己免疫疾患が強く疑われるにもかかわらず代替法によるANA検査が陰性の場合には、IF法によるANA検査で確認を行う必要がある。

6)検査室は、ANA検査の結果報告の際にはANAの測定方法も記載すべきである。
7)(限定的な)既知の核抗原を混合したものを使用した検査は、ANA検査と呼称すべきではない。
8)ANA、抗二本鎖DNA抗体、および抗ENA抗体を自施設で検査する検査室は、それぞれの検査を国際規格に従って標準化すべきである(例:WHO、CDC/IUIS)。
9)IF法のANA検査では、二次抗体として蛍光色素標識された抗ヒトIgG抗体を使用すべきである。
10)IF法のANA検査は、試薬・装置・その他の要因によって影響を受けるため、施設ごとに基準値を設定するのが望ましい。その基準値は、健常人集団におけるANA陽性者が5%以下となるように設定すべきである。一般的には、成人の全身性自己免疫疾患のスクリーニング検査においてHEp-2細胞を使用するIF法を行う場合、1:160希釈以上を陽性とするのがよい。
11)ANA検査が陽性の場合には、染色型および陽性と判定できる最大の希釈倍率の両方を報告すべきである。
12)IF法の染色型を報告の際には、標準化された専門用語を用いるべきである。
13)細胞核の染色型に加えて、可能であれば細胞質型および分裂装置型も同定して報告すべきである。
14)ANA検査が陽性で、かつ臨床的にSLEを示唆する所見を認める場合には、抗二本鎖DNA抗体の測定が勧められる。
15)抗二本鎖DNA抗体の測定は、RIA法(Farr法)あるいはCLIFT法が他法よりも特異性が高い。この二つ以外の方法は特異度が低い可能性があるため、もしも他法で陽性であった場合には、RIA法(Farr法)あるいはCLIFT法で確認して、さらにその結果を別々に報告すべきである。
16)抗二本鎖DNA抗体の結果報告時には、検査方法も記載すべきである。
17)抗二本鎖DNA抗体検査の結果は、定期的に(CLIFT法の場合には半定量的に)報告すべきである。
18)SLEの疾患活動性をモニタリングするするために抗二本鎖DNA抗体を繰り返し測定する場合には同じ方法で測定すべきである。
19)全身性自己免疫疾患の診断のために行ったANA検査が陽性であった場合には(染色型や臨床症状に応じて)特異的な抗ENA抗体検査を行うことが推奨される。
20)抗ENA抗体の検査結果報告時には測定方法も記載すべきである。また、抗ENA抗体の測定結果がIF法の結果や臨床的推測と一致しない場合には、さらなる追加検査を考慮すべきである。
21)特異的ENAに対する自己抗体検査の結果は(陰性の場合も含めて)それぞれ別々に報告すべきである。そして、もしもスクリーニング検査の結果を陰性として報告している場合は、その検査にいずれのENAが含まれているのかを連絡するのがよい。
22)臨床的に混合性結合組織病が疑われる場合、抗RNP抗体の定量的な測定を行うことが推奨される。
23)臨床的に自己免疫疾患が疑われる場合には、ANA検査の結果にかかわらず、医師からの特異的なENAに対する自己抗体検査のオーダーは受け入れるべきである。例えば、炎症性筋疾患が疑われる場合の抗Jo-1抗体、SLEが疑われる場合抗リボゾーマルP抗体、あるいは先天性心ブロック、新生児ループス、シェーグレン症候群、亜急性皮膚ループスが疑われる場合の抗ss-A/Ro抗体の測定などである。
24)各施設の検査室は、ANAの測定時にはキット推奨のカットオフ値について検証すべきである。検証には、年齢と性別をマッチさせた一般地域住民の健常人血清の使用が推奨される。そして、カットオフ値は陽性者が5%以下となるように設定すべきである。
25)各施設の検査室は、抗二本鎖DNA抗体と抗EMA抗体の測定時には使用キットの推奨カットオフ値について検証すべきである。自己免疫疾患患者・対照疾患患者・および健常人から適切な数の検体を収集して使用すべきである。そして、カットオフ値はROC曲線の解析により設定すべきである。

▽ANA 自己抗体検査に関する25項目の推奨 のキーワード

▽次の記事、前の記事

IDH1/2遺伝子解析 グリオーマ | 抗核抗体ANA検査の推奨recommendationの必要性

健康診断・血液検査MAP2:新着記事

鉄のホメオスタシス
生体は鉄過剰や鉄欠乏に陥らないように複数のステップで鉄の取り込みを制御しています。
続発性鉄過剰症と鉄の毒性
蓄積した鉄により生じた活性酸素種(reactive oxygen species:ROS)が肝細胞障害や変異原生塩基の生成を惹起することが知られています。
単球由来マイクロパーティクル
膜小胞体は細胞の内部顆粒や膜性微粒子、および機械的破壊によって生成された膜のフラグメントを含み、マイクロパーティクル(microparticle:MP)と呼ばれています
My Nightingale マイ ナイチンゲール総合的健康状態把握
バイオマーカー測定値より算出される総合健康指標および各種健康指標
新型コロナ経口薬パキロビッドパック(Pfzer社)を特例承認
厚生労働省はファイザーが申請した「パキロビッドパック」(ニルマトレルビル・リトナビル)を新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬として特例承認しました
尿中コルチゾール
コルチゾールは、下垂体から分泌されるACTHの刺激を受けて、副腎皮質束状層より分泌される分子量362.5の糖質コルチコイドでACTHとの間にフィードバック関係があります
新型コロナウイルスCOVID-19のサイトカインストーム
「サイトカインストーム」は、何らかの原因によりIL-1β、IL-6、TNF-αなどの血中サイトカインの大量産生状態と、続発する全身の炎症状態を伴う過剰な免疫反応を表す言葉です
sFlt-1/PlGF比 妊婦高血圧腎症発症予測
PEの病態形成には、血管新生因子である胎盤増殖因子(PlGF)およびその阻害因子の可溶性fms様チロシンキナーゼ1(sFlt-1)が関与していることが明らかになっています
ctDNAの量と検査方法
血漿DNAの量は10ng/mL以下と微量であり、このうち腫瘍由来のctDNAは通常0.1〜1%の低頻度で含まれています
cfDNAとctDNA
cell-freeDNA(cf-DNA)は体内の細胞が死滅する際に、ゲノムDNAが細胞外に放出され血液中に短く断片化した遊離DNAです

Valid XHTML 1.0 Transitional Valid CSS! Lint