S100タンパクの主な生体内局在

S100タンパクの主な生体内局在 - 近年、S100タンパクはS100A1〜16、S100B、S100G、S100Zと20種類に分類されており、これらは“S100ファミリー”と総称されます。

健康診断・血液検査MAP2の記事一覧

S100タンパクの主な生体内局在
近年、S100タンパクはS100A1〜16、S100B、S100G、S100Zと20種類に分類されており、これらは“S100ファミリー”と総称されます。
過活動膀胱の診断
診断のひとつに過活動膀胱症状スコア(Overactive bladder Symptom Score:OABSS)があります
ポンぺ病の臨床症状・検査所見・自然歴
乳児型ポンぺ病(IOPD)は新生児期から乳児期早期に筋力低下と肥大型心筋症を主症状として診断され、自然歴では2歳までに死亡する予後不良の疾患です
ポンぺ病
ポンぺ病はライソゾーム酵素である酸性α-グルコシダーゼ(acid alpha-1,4-glucosidase:GAA)活性低下の結果、筋力低下、心肥大を主症状とする常染色体潜性遺伝形式をとるライソゾーム病です
iPS細胞由来NKT細胞を利用したがん免疫療法
理化学研究所では細胞由来NKT細胞(iPS-NKT細胞)を開発し、安定したNKT細胞製造が可能となりました。
ロカボの腸内細菌叢への影響と人工甘味料
ロカボでは、患者の我慢を忌避すべく、主食をしっかり食べたい患者には代替主食(パンや麺を呈糖質パンや低糖質麺に代替する)を勧め、甘味をしっかり楽しみたい患者には代替甘味料(およびそれを利用した甘味商品)を勧めています。
がん治療関連心機能障害(CTRCD)
がん治療薬の使用を制限する最大の心血管毒は左心室機能障害であり、がん治療関連心機能障害(cancer therqeutics-related cardiac dysfunction:CTRCD)と呼ばれています。
前立腺癌診断補助する新規検査法「phi」
前立腺癌に特異的なバイオマーカーとしてプロステートヘルスインデックス(phi)が注目されており、わが国の臨床性能試験で前立腺癌診断マーカーとしての有用性が証明され2021年11月に保険収載されました。
糖質制限食(ロカボ)の医学的効果
糖質制限食は(極端な糖質制限食を含めて)欧米の学会に推奨されています
糖質制限食(ロカボ)の概要
1食20g以上40g以下とする糖質制限食を採用し、これをロカボと称したことから、わが国では”ロカボ”という言葉で糖質制限食が普及しています。
プロテインS 検査異常の原因
日本人は先天性プロテインS欠乏症の発症頻度が高く、欧米人の0.16〜0.21%に対して1.12%となっています
プロテインS 活性・遊離型抗原量
主として下肢静脈血栓など遺伝性血栓症の診断に行われる検査。
プロテインCの検査異常の原因
遺伝子異常による病態であり、一般的にみられるのはヘテロ接合体の分子異常で常染色体優性遺伝の遺伝形質を示します。
尿中膵酵素 尿中アミラーゼ・尿中トリプシノーゲン2
膵酵素であるトリプシンの前駆物質トリプシノーゲンは、急性膵炎の発症早期から尿中に排泄されます
膵臓疾患 免疫マーカーと腫瘍マーカー
自己免疫性膵炎(AIP)ではIgG70%、IgE30%程度の上昇を認めます。IgGはIgG1-IgG4の4つのサブクラスから構成され、IgG4は健常者では全IgG分画の4〜6%の比率で最も低い
膵神経内分泌腫瘍マーカーとリキッドバイオプシー、APOA2
APOA2は血中酵素や腫瘍マーカーの早期発見における問題点を克服する膵特異的マーカーとして注目されています
膵臓疾患 リパーゼ・エラスターゼ1・PLA2・トリプシン
リパーゼ、エラスターゼ1、PLA2、トリプシンはいずれも膵腺房細胞で合成される消化酵素です
膵臓疾患の臨床検査 血清アミラーゼ
アミラーゼは多糖類のα-1、4グリコシド結合を加水分解する消化酵素です。ヒトアミラーゼはおもに膵臓と唾液腺に由来しますが、その他に、肝臓・心臓・卵管などの臓器にも存在することが知られています
主な膵臓疾患別 膵癌 必要な検査とリスクファクター
膵癌は現在、癌の中でももっとも予後不良であり、その予後の改善には早期診断が必要不可欠です
主な膵臓疾患別 慢性膵炎 必要な検査
慢性膵炎の臨床診断基準が2019年に改訂されました
主な膵臓疾患別 急性膵炎 必要な検査
重症度を早期に判断することが、臨床上もっとも重要となります。
膵臓疾患の診断 症状
膵疾患のおもな症状としては、上腹部痛・背部痛・腹部膨満感・悪心・嘔気・下痢・食思不振・体重減少・黄疸・口渇・多飲多尿など多様な臨床症状があります
直接経口抗凝固薬(DOAC)2
直接抗Xa阻害薬であるエドキサバンのバイオアベイラビリティは60%であり、血漿中の濃度は内服後1〜1.5時間でピークに達し、半減期は6〜11時間です
直接経口抗凝固薬(DOAC)
DOAC(direct oral anti coagulants)の内服症例に対する凝固検査の際は、内服からの時間・腎機能など全身状態の把握とともに、施設ごとの試薬のDOACに対する感受性を考慮に入れて結果を判断することが必要です。
リチウム 双極性障害・躁状態の治療薬
双極性障害・躁状態の治療薬。中毒の予防と服薬コンプライアンスを見る目的で血中濃度を測定
治療に用いられる抗凝固薬
DOACの登場は内服の簡便さの観点から抗凝固薬の革命ともいえます。しかしモニタリングの標準化はワルファリン以外は今後の課題となっています。
ネコひっかき病 Bartonella henselae感染症
ネコひっかき病(cat scratch disease:CSD)は、おもにネコからヒトに伝播する人獣共通感染症で、その主要原因菌はBartonella henselaeです
鉄のホメオスタシス
生体は鉄過剰や鉄欠乏に陥らないように複数のステップで鉄の取り込みを制御しています。
続発性鉄過剰症と鉄の毒性
蓄積した鉄により生じた活性酸素種(reactive oxygen species:ROS)が肝細胞障害や変異原生塩基の生成を惹起することが知られています。
単球由来マイクロパーティクル
膜小胞体は細胞の内部顆粒や膜性微粒子、および機械的破壊によって生成された膜のフラグメントを含み、マイクロパーティクル(microparticle:MP)と呼ばれています
My Nightingale マイ ナイチンゲール総合的健康状態把握
バイオマーカー測定値より算出される総合健康指標および各種健康指標
新型コロナ経口薬パキロビッドパック(Pfzer社)を特例承認
厚生労働省はファイザーが申請した「パキロビッドパック」(ニルマトレルビル・リトナビル)を新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬として特例承認しました
尿中コルチゾール
コルチゾールは、下垂体から分泌されるACTHの刺激を受けて、副腎皮質束状層より分泌される分子量362.5の糖質コルチコイドでACTHとの間にフィードバック関係があります
新型コロナウイルスCOVID-19のサイトカインストーム
「サイトカインストーム」は、何らかの原因によりIL-1β、IL-6、TNF-αなどの血中サイトカインの大量産生状態と、続発する全身の炎症状態を伴う過剰な免疫反応を表す言葉です
sFlt-1/PlGF比 妊婦高血圧腎症発症予測
PEの病態形成には、血管新生因子である胎盤増殖因子(PlGF)およびその阻害因子の可溶性fms様チロシンキナーゼ1(sFlt-1)が関与していることが明らかになっています
ctDNAの量と検査方法
血漿DNAの量は10ng/mL以下と微量であり、このうち腫瘍由来のctDNAは通常0.1〜1%の低頻度で含まれています
cfDNAとctDNA
cell-freeDNA(cf-DNA)は体内の細胞が死滅する際に、ゲノムDNAが細胞外に放出され血液中に短く断片化した遊離DNAです
スポーツにおけるRED-Sと希釈性貧血
LEAは女性だけの問題と思われていましたが、最近ではRED-S(相対的エネルギー不足)として、男性を含めたアスリート全般の問題と認識されるようになりました
スポーツ貧血 原因
スポーツ貧血の原因に鉄の摂取不足や吸収低下、溶血などがあります
スポーツ貧血 鉄の喪失
成長に伴う循環血漿量の増加や、筋肉量増加によるミオグロビン量の増加によって鉄の需要は高まります。そのため成長期のアスリートは鉄欠乏になりやすいとされています。
スポーツ貧血の主な原因
スポーツ活動が原因で生じる貧血を「スポーツ貧血」と呼びます。スポーツ貧血の中で最も多い原因は鉄欠乏性貧血です
生体におけるカリウム(K)調節
カリウム(potassium:K)異常は内分泌疾患では比較的よくみられる電解質異常です。さまざまな神経筋症状や時には致死的な不整脈を招くことから、適切な診断と治療を行うことが不可欠です
高ナトリウム血症
高ナトリウム血症は血清Na濃度が145mEq/Lを超える状態と定義されます。症状として、頭痛、悪心、発熱、神経・筋の易刺激性亢進による筋緊張亢進および腱反射亢進、意識レベルの低下、痙攣などが挙げられます
続発性副腎不全
続発性副腎不全の病態は視床下部または下垂体の障害により副腎皮質ホルモン(ACTH)が低下し、副腎皮質からのコルチゾール分泌が低下した状態です
SIADHの治療
SIADHによる低ナトリウム血症の治療は水制限が基本となります。原疾患の治療に加えて1日の総水分摂取量を体重1kgあたり15〜20mLに制限します
SIADHの原因となる疾患と薬剤
中枢神経疾患・胸腔内疾患・薬剤(選択的セロトニン再取り込み阻害薬、ビンクリスチン、三環系抗うつ薬など)・異所性AVP産生腫瘍などがあります
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)
血清Na濃度が低下しているにもかかわらず、AVPの抑制が不十分なために抗利尿作用が持続している状態です。健常者では血漿浸透圧が低下するとAVP分泌が抑制され、水利尿が促進されます
低ナトリウム血症の原因と症状
高張性低ナトリウム血症では高血糖などにより血漿浸透圧が上昇し、細胞内から細胞外へ水が移動して相対的な水過剰となります。
原発性副腎不全
原発性副腎不全はアルドステロン・コルチゾールおよび副腎アンドロゲンが欠乏し、副腎原発の病変が原因となる
低ナトリウム血症
低ナトリウム血症は血液中のNaの量よりも相対的に水分量が多くなっている病態であり、血清Na値が135mEq/L未満と定義されています
低ナトリウム血症の検査と診断
低ナトリウム血症の診断では、血糖および中性脂肪の値から高張性および等張性低ナトリウム血症を鑑別します
赤痢アメーバ抗原検査
赤痢アメーバ抗原検査試薬は、酵素免疫測定法を原理としたイムノクロマト法による糞便中の赤痢アメーバを検出する試薬です
TARC(COVID-19)コロナ重症化リスク判定
SARS-CoV-2陽性患者の重症化リスクの判定補助に有用なマーカーです
NTBIとLPI 鉄過剰・鉄毒性の新規マーカー
鉄は体に必要不可欠である一方、体内に過剰に蓄積するとフリーラジカル産生が促進され、臓器障害や発がんにも関与し、生命予後に悪影響を与えます
NUDT15遺伝子codon 139多型解析
NUDT15遺伝子の測定は、チオプリン製剤の投与対象となる症例に対して、その投与の可否および投与量などの判断補助に有用です。
卵巣がん検査 ROMA値の見方
CA125とHE4(human epididymis protein 4:HE4)の値に、閉経情報を組み合わせて行う卵巣がんの推定指標を、ROMA値(上皮性卵巣悪性腫瘍推定値)といいます
CA125
主に卵巣癌に有効な血中腫瘍マーカー。子宮内膜症と子宮筋腫の鑑別にも用いられる。
HE4 ヒト精巣上体タンパク
HE4とCA125は相関性が低いため、両検査を組み合わせることで上皮性卵巣悪性腫瘍の診断精度が向上する可能性があります
NASHの診断・予後予測に期待される血中マーカーTSP-2
THBS2および血清TSP-2は、NAFLD/NASHの診断、予後予測に寄与する新たなバイオマーカーとして期待されます
ALアミロイドーシスは早期発見が重要
心ALアミロイドーシスはきわめて予後が不良で、早期発見・早期治療が望まれます。
25-OHビタミンD 骨粗しょう症
25-OHDの血中濃度測定は骨粗しょう症患者における骨折・転倒・骨密度低下リスクの評価や薬剤治療方針の決定、その効果予測に有用と考えられています。
尿中PGE-MUM(CLEIA)
血中PGE2よりも安定していることから、尿中PGE-MUMは全身的なPGE2産生量の指標になると考えられています
インターフェロン-λ3 COVID-19の重症化リスクを把握
IFN-λ3は、SARS-CoV-2陽性患者の重症化リスクの判定補助に有用なマーカーです
食後TG値の実際
血糖値とは異なり、食事に応じた山や谷を繰り返しません。1峰山を示し、TG値のピークは昼食後2時間でした
IL-6 COVID-19における挿管の必要性の判断に
救急搬送または集中治療時において、炎症および臓器障害の重症度判定に有用な検査です
高トリグリセライド血症・高TG血症
高トリグリセライド(triglyceride:TG)血症は、高コレステロール血症とともに脂質異常症の中核をなす脂質異常症であり、頻度の高い疾患です。
高TG血症を伴う疾患 IV型、FH、続発性高TG血症
IV型の表現型を示し、すなわちカイロミクロンの上昇はなくVLDLの上昇であるためTG値のみが軽度〜中等度高値となります
高TG血症を伴う主な疾患 家族性複合型高脂血症(FCHL)
脂質異常症の中で家族性複合型高脂血症(famillal combined hyperlipidemia:FCHL)は最も一般的な遺伝疾患であり、中等度の高コレステロール血症と高TG血症を特徴とします
高TG血症を伴う疾患 家族性III型高脂血症
家族性III型高脂血症の原因はアポリポ蛋白Eの遺伝子傷害で、LDL受容体へ結合できないアポリポ蛋白E2のホモ接合体E2/E2が大半を占めます
高TG血症を伴う主な疾患 原発性高カイロミクロン血症
家族性高カイロミクロン血症は、リポ蛋白リパーゼ(LPL)活性の低下や欠如を特徴とする大変まれな遺伝性疾患です
脂質異常症(高脂血症)と血清TG値
世界保健機構(WHO)分類による脂質異常症(高脂血症)のタイプは表1の通りです
中性脂肪(TG)の測定法
わが国におけるTG測定法は、FGを消去する日本臨床化学会(Japanese Society of Clinical Chemistry:JSCC)勧告法の基づく標準化対応法(FC消去法)が広く普及しています
発作性夜間ヘモグロビン尿症と先天性GPI欠損症との違い
PNH症例では、体細胞の突然変異により血球は正常の細胞とPNH細胞がミックスした二峰性のパターンを示しますが、IGDは全細胞でGPI-APが低下するので正常者に比べてピークが左にシフトしたパターンとなります
発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の診断と治療
臨床的に溶血性貧血を認める症例(LDHが正常上限の1.5倍以上)で、末梢血の赤血球でCD59とDAFの染色によるフローサイトメトリー検査を行い、両者を欠損した細胞が1%以上あればPNHとします
発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の症状
古典的な記載では、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の症状として早朝の赤褐色尿(ヘモグロビン尿)が特徴とされます
発作性夜間ヘモグロビン尿症の細胞拡大機序
発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の発症には、PIGA遺伝子の突然変異によりGPI欠損となった1個の造血幹細胞クローンが正常細胞を凌駕して拡大することが必要
発作性夜間ヘモグロビン尿症の分子遺伝学
発作性夜間ヘモグロビン尿症は、1個あるいは数個の造血細胞のPIGA遺伝子の突然変異を原因とする、溶血性貧血・深部静脈血栓症・骨髄不全を3主徴とする後天的な血液疾患です
骨髄不全症におけるテロメア長
DKC以外の先天性骨髄不全症患者のテロメア長が特発性AAに比べて短縮していることが示されました
テロメラーゼ複合体遺伝子異常とDKC
DKC患者細胞のテロメア長は多くの場合、著明に短縮しており診断補助のための検査として末梢血リンパ球を用いたテロメア長の測定が有用です。
血球テロメア長測定
テロメア長の短縮は加齢性変化を示すマーカーとされています。しかし造血幹細胞や生殖細胞などでは、テロメラーゼ活性によるテロメア長の伸長補正が行われるため継続的に細胞分裂が可能となります
MDSの診断や予後予測に有用な遺伝子変異
骨髄異形成症候群(myelodysplastic anemia:MDS)に対する網羅的遺伝子変異検査は次世代シーケンサーの登場によって、次々と新しい発見がなされています
先天性骨髄不全症診断の遺伝子変異解析
次世代シーケンサーを用いた遺伝子診断も実験的に行われており、遺伝子変異を同定することで臨床的に診断が難しい症例の確定診断に役立っています。
骨髄不全症 BMF
骨髄不全症(bone marrow failure:BMF)は、造血幹細胞の減少または異常によって血液産生が持続的に低下した状態を示します
ANCA関連血管炎(AAV)原因不明の全身症状
全身の小型血管に炎症をきたす全身性疾患で複数の臓器に病変が起こるため、臨床症状も多彩であることから早期診断が困難
レドックス治療
レドックスとは「reduction=還元」と「oxidation=酸化」という2つの言葉を合わせた造語です。2008〜2013年に報告された小児患者への”レドックス治療”は主に次のものがあります。
シトルリン-アルギニン経路とアルギニンーオルニチン経路
アルギニン代謝系は臓器関連において重要です。アルギニン-NO-シトルリン(NO生成)系、アルギニン-ADMA-シトルリン(ADMA生成)系はともにシトルリン-アルギニン経路と連結します。
酸化ストレスと血管内皮障害
血管内皮由来NOはスーパーオキサイド(O2-)を中和する抗酸化因子であり、酸化ストレス亢進は血管内皮障害を導く一方でNO欠乏は酸化ストレス亢進をもたらします。
活性酸素種と酸化ストレス
酸化ストレス(oxidative stress)とは、生体内で生成される活性酸素種の酸化損傷力と抗酸化システムの抗酸化力との差として定義されます。
CRPと関連検査のPOCT リアルタイム検査
患者の傍らで検査を実施、リアルタイムに検査結果を得ることができるPOCT(point-of-cara testing)によるCRPの測定が診療所や在宅医療現場で利用されるようになっています
睡眠時無呼吸症候群とCRP
対象者(OSASのない人)と比べてOSAS患者においてCRPは高くなっており、またそれはBMIの高低に影響されないものの、睡眠中の無呼吸低呼吸指数15回/時以上の患者においてより顕著に認められました。
動脈硬化性疾患とCRP
健康な状態におけるCRP値は将来的な動脈硬化性疾患の発症に強く関与し、また。疾患の発症後のCRP値は重症度とも関連します。
動脈硬化の形成とCRP
血栓形成の過程においてもCRPは促進的に作用することがわかっています。
肥満・内臓脂肪とCRP
主にIL-6を刺激物質として肝臓から産生され、IL-1やTNF-αといった炎症性サイトカインにも刺激されるCRPも脂肪細胞の影響を受けるため、肥満状態においてCRPは増加します
喫煙とCRP
喫煙は厳密には「生活習慣病」ではありませんが、生活習慣病を憎悪させうる嗜好品であり、喫煙によって体内で炎症反応が活性化されます
リウマチ・膠原病におけるCRP高値
リウマチ・膠原病患者でCRP高値を認めたら他の疾患活動性マーカーをチェックするとともに、病歴や症状の聴取、身体所見などから総合的な判断が重要となります。
膠原病とCRP
リウマチ・膠原病領域で扱う疾患では多くの場合、疾患活動性憎悪時にCRPと赤沈上昇を認めることがあります。しかし、上昇しない疾患や上昇しても軽度の疾患もあります
赤血球沈降速度・赤沈・血沈
赤血球沈降速度(赤沈)は、採取した血液に抗凝固剤を混ぜてガラス管に入れ、1時間後に赤血球が沈殿した長さをmmで測定します。
グリコアルブミン(GA)はいつの血糖を表すか
HbA1cの代謝が赤血球の生成と代謝に支配されているのに対し、アルブミンは生成後直ちに血中に放出され、血管や皮下を循環しながら一定のクリアランスで代謝されます
単独自律動作可能なCGMSスマートコンタクトレンズ
グルコース発電素子と融合した単独自立動作可能な持続血糖モニタリング機能付きスマートコンタクトレンズの研究・開発が行われています。
AIで血糖モニタリング スマートコンタクトレンズ
涙液糖と血糖の間には、時間遅れはあるものの相関があることがわかっており、非侵襲な手法として大きな期待を集めています。
血清亜鉛Zn 亜鉛欠乏症の診断指針
亜鉛欠乏症は、亜鉛欠乏の臨床症状と血清亜鉛値によって診断されます。
HFmrEF EFが軽度低下した心不全
2016年の欧州心臓病学会ガイドラインで新たにEFが軽度低下した心不全(HFmrEF)の概念が提唱されました。
MAC抗体 抗酸菌抗体定性
MAC抗体(抗酸菌抗体定性)は、肺MAC症の診断補助に有用な検査です
腎血管性高血圧 診断のきっかけ
腎血管性高血圧を疑うべき状態とは、30歳以下または55歳以上に発症した重症高血圧、急に憎悪する高血圧
多発性嚢胞腎
多発性嚢胞腎(polycystic kidney disease:PKD)は両側の腎臓に大小の嚢胞が多発し、嚢胞が増大するにつれて腎実質の萎縮と間質の線維化が生じ、腎機能が低下します
腎実質性高血圧
腎臓の実質障害や腎機能の低下に伴い発症する高血圧を腎実質性高血圧といい、高血圧全体の2〜5%を占めるとされており、本態性高血圧を除いた二次性高血圧のなかでは高い頻度を示します。
血圧の慢性調節 圧利尿と血液の関係
血圧の慢性調節には主として体液量が重要な役割を果たします。塩分の取り過ぎは体液量を増加させ、心不全になる危険性があります
血圧急性調節 エンドセリン・Na利尿ペプチド他
強力な昇圧系であるエンドセリンはエンテロトキシン産生腫瘍では高血圧をきたします。プロスタグランジンE2やI2もまた血管拡張作用があり、キニン・カリクレイン系はNa利尿作用があります
血圧急性調節 レニン
尿中Clが少ない時は脱水になっていると予測されます。血圧が下がっている危機状態であると判断し、顆粒細胞にシグナルを送り、レニンを放出します
ロイシンリッチα2グリコプロテイン(LRG)
炎症局所で産生される新規血清バイオマーカー。炎症性腸疾患における活動期の判定補助に有用な検査
薬剤耐性(AMR)ワンヘルスプラットホーム公開
薬剤耐性菌に関連する情報および公衆衛生上重要な情報を包括的にまとめることで、薬剤耐性菌対策の推進とともに他分野間の連携・協力を促進することを目的として作成
血圧急性調節 カテコールアミン
交感神経が活性化し、カテコールアミンが放出されることでα受容体を介した血管収縮が生じます
血圧維持の生理学
血圧とは、心臓から送り出された血液が、 血管の壁に与える圧力のことで、心臓が収縮すると、全身に血液が送られて血圧は高くなります
簡便な糞便微生物移植法FMTの開発
簡便な糞便微生物移植法FMTを行うために、精力的に取り組まれている方法は、凍結ドナー便をカプセル化して投与する方法です
CDI 糞便微生物移植法FMTの将来展望
医療費を大きく抑制しうる可能性があることは非常に重要であり、本法を普及させるために手技の簡素化が必須です。
糞便微生物移植法FMTドナー便の投与方法
これまでのFMT研究で採用されているドナー便の投与方法は、経鼻十二指腸管を介した投与、下部消化管内視鏡を用いた投与、注腸による投与、さらにはカプセルを用いた投与があります。
CDI治療 糞便微生物移植法(FMT)開発の歴史
米国消化器病学会のガイドラインでは、3回以上の再発例に対してFMTを検討することが推奨されています。
C.difficile感染症 新規治療薬ベズロトクスマブ
ベズロトクスマブは再発抑制を目的に作られた、C.difficileのトキシンBに対するヒト化モノクローナル抗体です
C.difficile感染症 新規治療薬FDX
フィダキソマイシン(FDX)は、マクロサイクリック系の新規抗CDI薬です。RNAポリメラーゼに結合することにより、RNA合成阻害活性を示します
C.difficile感染症診断ガイドラインにおける治療内容
Clostridioides(Clostridium)difficile感染症診療ガイドライン(日本感染症学会2018)では、フローチャートで治療選択肢が示されており、非重症例・重症例・再発例・難治例と判断のうえ、治療薬を選択するようになっています。
C.difficile NAAT結果解釈の注意点と課題
イムノクロマト法の偽陰性を確認することが可能であり、NAATを行うことによりトキシン産生C.difficileの検出感度・検出率が上昇します
C.difficileトキシンB遺伝子検査NAATの特徴
感度・特異性が高く、かつ迅速に結果が得られるPCR法などの遺伝子検査法を用いた検出法として、NAATが開発され欧米ではCDIの標準的な診断法とされています
C.difficile培養検査・GDH・トキシン検査
培養検査は、トキシン産生性は直接的にはわからず、培養に日数もかかりますが、少ない菌量であっても本菌の存在を検出できるため、菌の証明には最も優れています
CDIの診断と便性状評価
便の性状評価にはBristol Stool Scaleなどの客観的指標を用いてスコア化し5〜7の性状の検体を用いて検査を行うことが望ましい。
C.difficile 細菌学的知識
C.difficileは偏性嫌気性の芽胞形成性のグラム陽性桿菌で、抗菌薬関連下痢症/腸炎の重要な原因菌の1つです
C.difficileの病原因子トキシンA・B・バイナリートキシン
C.difficileが産生するトキシンA、トキシンBの2種類の毒素が、腸管を傷害して下痢症・腸炎を発症させます。また、バイナリートキシンが、菌の細胞付着にもかかわる可能性も示唆されています
C.difficile菌株タイピング
Clostridioides difficile感染症(CDI)では、アウトブレイクがおきることや、重篤な症例がみられることから、疫学的な背景に迫るために、菌株タイピングを行うことがあります
単純ヘルペスウイルス 1型・2型-IgG
単純ヘルペスウイルス1型と2型の型特異性が高い検査。特に、再発を繰り返す HSV-2(2型)を正確に鑑別し、再発頻度の予測や再発防止への活用が可能です。
Clostridioides difficile感染症(CDI)の病態
C.difficileによる感染症のほとんどは腸炎です。近年では、CDIの認知度が高まり、早期診断ができるようになったこともあって、偽膜性腸炎のように内視鏡所見で発見される症例は少なくなりました
Clostridioides difficile病原因子 高病原株の特徴
海外を中心に、特徴的な病原因子をもち、重篤な臨床経過を示す症例から分離される株があります。この代表例がPCRリボタイプ027株(027/BI/NAPI株)
Clostridioides difficile病原因子 トキシンA・トキシンB
病原性を示すClostridioides difficileはトキシン(トキシンA・トキシンB・トキシンC・バイナリートキシン)を産生します
Clostridioides difficile病原因子 芽胞
Clostridioides difficileは、亜偏在性に芽胞を形成します。けん制した芽胞は、熱、放射線、乾燥、高圧処理、薬剤などに高い抵抗性を示します。
CDI:Clostridioides difficile感染症、菌名変更
CDIと略すことがすでに世界的に浸透していたことも考慮し、名称に影響がでないようClostridioides difficileという名称に落ち着きました。
マイクロサテライト不安定性、mutation rate、somatic UPD
がん細胞のmutation rateが高い場合、免疫チェックポイント阻害薬の奏効率が高まることが知られています
がんゲノム解析 SNV、SNP、VUS、CNV、CNA、LOH
がんゲノム解析によって判明するゲノム変異は、変異の種類ごとに次のような略称で示されます
エラー率、quality score、read depth、coverage
これらは、解読したゲノム配列の品質を評価する際に用いられる代表的な用語です
がんゲノム解析 FASTQ形式、SAM/BAM形式
FASTQ形式は、SBS(Sequencing By Synthesis)法を用いたDNAシーケンサ−などで広く用いられているデータフォーマットです
がんゲノム解析 キュレーション
変異のパターンや量的な妥当性を評価し、信頼性の高い変異を抽出する作業が求められます。この工程のことをキュレーションといいます
がんゲノム解析 アノテーション
変異コールされた配列の意味付けを知るために行うデータ処理をアノテーションといいます
がんゲノム解析 マッピング/アライメント
配列の類似性に基づき、レファレンスゲノム配列から断片化されたゲノム配列上のポジションを決定する処理をマッピングといいます。
がんゲノム解析 ベースコール
DNAシーケンサーでは、解析対象のDNA配列に塩基の種類ごとに異なる蛍光物質を結合させ、蛍光の波長と強度により塩基を読み取ります
次世代シーケンサー インデックス・リファレンス配列
インデックスとは、アダプターにより付加される6〜8塩基前後の固有の配列を有したオリゴDNAのことです
抗GM1-IgG抗体 抗GQ1b-IgG抗体
細菌の先行感染(上気道感染・消化器感染)の数週間後にギランバレー症候群や、フィッシャー症候群を発症することがあります
次世代シーケンサー
次世代シーケンサーとは、ハイスループットに遺伝子配列を読むための機器の総称です
マルチプレックスPCR
マルチプレックスPCRとは、一度に多くの標的遺伝子をPCRで増幅することです
次世代シーケンサー ライブラリー
ライブラリーは、標的の遺伝子領域のゲノムDNAが精製され、次世代シーケンサーにかけることができる必要な条件が整った核酸断片サンプルのことです。
アンプリコンシークエンス/分子バーコード法
アンプリコンシークエンス法の1つですが、分子バーコード(unique molecular index:UMI)と呼ばれる目印(タグ)を核酸に付けることによって、アンプリコンシークエンス法の欠点を補ったものです
キャプチャーシークエンス法
キャプチャーシークエンス法は、アンプリコンシークエンス法における欠点を補完した手法
アンプリコンシークエンス法
アンプリコンシークエンス法は、ターゲットの遺伝子領域のDNA配列に即したプライマーを、サンプルDNAとPCR反応させることで目的の領域だけを増やし、アンプリコン(PCR産物)を作る手法です
ターゲットシークエンス 次世代シーケンサー
ターゲットシークエンスは、その名の通り目的の遺伝子であるターゲットに読む範囲を限定し、DNA配列を決定する手法のことで、ターゲットエンリッチメントとも呼ばれます
人間ドックでRF陽性のときの対応
RF陽性時には、さまざまな疾患および遺伝的な背景を鑑別することが必要になります。
健康診断でリウマトイド因子(RF)が陽性だったら
IgM型RFは疾患特異性に乏しいので、健診ではIgM型RF陽性のみでRAと診断せず、他の臨床所見、検査結果も合わせて検討することが重要です。
健康診断で認められる心電図異常
健診における心電図検査の判定では、経過観察以外は原則、医療機関への紹介となります。
補聴器の適正使用
補聴器は単に音を大きくするだけの装置ではなく、患者の聴力の特性に合わせて、周波数ごとに音を増幅するように設定するものです
選別聴力検査での注意事項
通常行われる選別聴力検査の意味と限界を理解する必要があります。選別聴力検査は、日常会話で重要となる周波数の中心である1,000Hzと騒音性難聴で障害されやすい周波数4,000Hzをチェックします
老人性難聴
聴力は20歳代をピークとして加齢とともに徐々に低下していきます。難聴の年齢別有病率は65歳を過ぎると急激に増加し、80歳以上では80%にも達します
騒音性難聴
騒音として感じるのは個人によって異なり、たとえ小さな音でも人によっては騒音と感じ、心理的影響が生じることがあります。
難聴の原因と程度 伝音難聴・感音難聴
難聴の原因には多種多様な疾患がありますが、主に以下の疾患が考えられます。
聴力検査 聞こえの仕組みと難聴
外界からの音は、外耳・中耳・内耳・蝸牛神経を介して脳へ送られることで聞くことができます。
健診・人間ドックにおける判定の考え方と判定区分
健常ではない状態をみつけるのが目的であることから、この”基準となる状態”は健常者です。ここには日常臨床とは異なる側面があります。
健診・人間ドックにおける判定用語
通常の診療行為との違いは、検査項目が規定されていること、最後の医学的な判断がいくつかの用語で分類されて記載されることです。この分類された結果を判定と呼びます。
健診・人間ドックにおける臨床判断値
臨床診断値には、治療閾値・疾患識別値(診断閾値)・予防医学的閾値の3種類があります
健診・人間ドックにおける検査値の基準範囲
基準範囲は、基準個体から得られた基準値の95%を含む中央部分の範囲と定義されます
CKD・AKIのバイオマーカー
尿中β2-MGは糸球体で濾過されて尿細管で再吸収されるため、尿細管機能が低下すると尿中への排泄が増加しますが、pH5.5以下の酸性尿中では不安定です。
腎前性AKIとATNの鑑別・予後推定における尿沈渣所見
AKI(急性腎障害)の原因としては腎前性のAKIと急性尿細管壊死(acute tubular necrosis:ATN)が多く、この両者を鑑別することが臨床上重要となります。
AKIの原因鑑別における尿定性検査
原疾患が急性糸球体腎炎の場合は、血尿(尿潜血陽性)となります。間質性腎炎の場合、試験紙白血球が陽性となることがあります。
CKDガイドラインにおける尿沈渣異常
CKDガイドラインの世界的標準はKDIGO(Kidney Disease Improving Global Outcomes)Working Groupによる2012年版であり、CKD診療ガイドライン2018の重症度分類も本ガイドラインを日本人用に改変したものです。
デジタルインフルエンザ検出法
近年デジタルPCRをはじめとするデジタルアッセイ法が勃興しています。これらは1分子検出技術に基づく新しい超高感度診断技術として注目を浴びており、新しい疾病マーカーの探索が活発に行われています。
尿試験紙アルブミン/クレアチン比の有用性
尿試験紙はスクリーニングであり、必要な場合は尿蛋白(糖尿病であれば尿アルブミン)とクレアチニンの定量を行うことが重要です。
尿試験紙蛋白によるCKD診断・重症度の判定
CKDの重症度分類での蛋白尿区分では、原疾患が糖尿病の場合は尿アルブミン定量(尿アルブミン/Cr比)が、それ以外の疾患では尿蛋白定量(尿蛋白/Cr比)が用いられます。
急性腎障害AKIと血清クレアチニン
KDIGO基準は血清クレアチニンまたは尿量の2点のみからAKIの診断および重症度分類を行うことができます。
AKI on CKD
相互にリスクファクターであり、末期腎不全への進行を抑止するためには、AKI・CKDそれぞれの早期診断・治療介入は必要になります。
急性腎障害AKIのリスクファクターとしての慢性腎臓病CKD
AKIを惹起しやすい基礎の状態(リスクファクター)としては、高齢・高血圧・糖尿病・心不全・肝疾患・低栄養状態・動脈硬化疾患などがあげられ、CKDもそれに加わり重要なリスクファクターとして知られています。
急性腎障害AKIの治療と予後
腎後性AKIは尿路閉塞を解除すること、腎前性AKIは腎灌流を改善させることが治療目的となり、腎性AKIは病態により治療が異なります。
急性腎炎AKIの原因部位による分類 腎前性・腎性・腎後性
腎後性AKIは、血管内脱水や低血圧などにより腎灌流が低下し糸球体濾過量(GFR)が低下する病態であり、腎実質の器質的障害を伴わないものと定義されます
急性腎障害(AKI)の診断基準および原因部位による分類
KDIGO(Kidney Disease Improving Global Outcomes)の診断基準による重症度の判定には、クレアチニン値による分類と尿量による分類があります。
Shy-Drager症候群 シャイ・ドレーガー症候群
尿失禁や失神を起こすような自律神経障害で発病し、それが経過前半期の主要症状である多系統萎縮症(multiple system atrophy:MSA)をシャイ・ドレーガー症候群と呼んでいます。
褐色細胞腫の診断に尿中メタネフリン2分画
メタネフリン(MN)はアドレナリン、ノルメタネフリン(NMN)はノルアドレナリンの代謝産物で、神経終末や標的細胞内においてカテコール-O-メチル転換酵素(COMT)の作用によりメチル化を受け生成されます。
抗リウマチ薬 分子標的合成DMARDs
近年、分子標的合成抗リウマチ薬(tsDMARDs)が特に注目されています
抗リウマチ薬 生物学的DMARDs(bDMARDs)
従来型合成DMARDsによる治療を3〜6か月継続しても、治療目標である臨床的寛解あるいは低疾患活動性に到達しない場合には、生物学的DMARDsの併用を考慮します。
従来型合成DMARDs(csDMARDs)の副作用
メトトレキサートの肝障害は用量依存性の肝細胞障害型であり、葉酸の併用により改善やリスクの低下が期待できます
従来型合成DMARDs(csDMARDs
通常は薬剤費も考慮して従来型DMARDsを速やかに開始します。特に継続率が高いメトトレキサート(methotrexate:MTX)が最も汎用されます。
抗リウマチ薬 MDARDs
抗リウマチ薬(disease-modifying antirheumatic drugs:DMARDs)は、関節破壊や身体機能低下抑制することで関節リウマチ(rteumatoid arthritis:RA)の自然経過を修飾しうる薬剤の総称
非ステロイド性抗炎症薬NSAIDsの副作用と検査値への影響
アスピリンなどのCOX非選択的阻害薬は、COX-1阻害による胃粘膜障害を引き起こします。
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の薬理作用
非ステロイド性抗炎症薬(non-steroidal anti-inflammatory drugs:NSAIDs)は、その名前の通り、ステロイド骨格をもたない抗炎症薬です。
ステロイドの副作用 内分泌への影響
ステロイドによる二次性副腎不全は、プレドニゾロン換算で10mg/日を半年以上内服した場合、発現のリスクが高くなります。
ステロイドの副作用 骨への影響
ステロイドによる骨粗しょう症および関連骨折は、ステロイドの全身投与における副作用のなかで最も頻度が高い副作用です
ステロイドの副作用 代謝への影響
ステロイドは肝臓における糖新生の増加、膵臓におけるインスリン分泌能の低下、食欲亢進作用、抹消組織におけるインスリン分泌能の増大を介して血糖値を上昇させます。
ステロイドの副作用 炎症反応への影響
ステロイドの副作用で重篤なものには、感染症・骨粗しょう症・糖尿病・脂質異常症・副腎不全・精神障害・血栓症・緑内障などがあります
ステロイドの種類と特徴
一般に”薬”としてステロイドを使用する場合、GRに対する作用(グルココルチコイド作用:GC作用)のみを期待することがほとんどです。
透析とカルニチン 透析患者へのカルニチン投薬効果
透析患者に認められるさまざまな症状について、カルニチンの投与がQOLに対しても改善効果があると言われています。
カルニチン分画
カルニチン(carnitine)は細胞のエネルギー代謝に重要な役割を担っている水溶性アミンの一つです。体内では肝、腎などにおいてリジンとメチオニンから合成されます
レジオネラ肺炎の診断にレジオネラDNA定性
LAMP法を用いたレジオネラDNA定性は、 L.pneumophila SG1を含むレジオネラ属菌11種の検出が可能な検査です。
ステロイドの薬理作用と種類
ステロイドは生体内に存在する内因性生理活性物質であり、その量は厳密に制御されていますが、外部から”薬”として投与されると、生理反応以上の薬理作用を示します。
抗血小板薬の作用基点とVerifyNowシステム
VerfyNowシステムは、クロピドグレルやチクロピジン、プラスグレル、チカグレロルのP2Y12受容体阻害薬やアスピリンのクエン酸全血中の血小板機能阻害を評価するアッセイデバイスシステムです。
新規経口抗凝固薬・直接経口抗凝固薬(NOAC/DOAC)
抗トロンビン薬のダビガドランと抗Xa薬のリバーロキサバン、アビキサバン、エドキサバンの評価指標にさまざまなものが用いられています
抗凝固薬 ヘパリン
ヘパリンは、アンチトロンビンや組織因子経路インヒビター(tissue factor pathway inhibitor:TFPI)を介して、セリンプロテアーゼ基を有する多くの凝固因子活性を抑制します。
抗凝固薬 ワルファリン
ワルファリンはビタミンKエポキシド還元酵素を阻害することにより、肝での第II・VII・IX・X因子のカルボキシル化を抑制することで抗凝固作用を呈します。
凝固カスケードと生理的凝固阻止因子
凝固反応として、外因系と、内因系、および第X因子からトロンビンを介してフィブリンが形成される共通系が広く知られています。
血栓形成と抗血栓薬
血栓形成には、Virchow's triadと呼ばれる三大要因である血管壁・血液性状・血流が関与します。血液性状の変化の主体をなすのは、凝固因子と血小板です
糖尿病治療薬 インスリンの作用機序と副作用
インスリンは生理的に血糖降下作用を有する唯一のホルモンであり、インスリン受容体と結合してその作用を発揮します。
グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬
グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)とGLP-1は、食事中に含まれる栄養素に反応して消化管から分泌され、血糖依存性にインスリン分泌を促進します
マイコプラズマニューモニエDNA 定性(QProbe)
マイコプラズマ・ニューモニエDNAに加え、23S rRNA遺伝子の変異の有無を検出します。
糖尿病治療薬 SGLT2阻害薬
ナトリウム依存性グルコース輸送体2(sodiumdependent glucose transpoter 2:SGLT2)阻害薬は、近位尿細管でのグルコースの再吸収を抑制し、尿中にグルコースを排泄することにより高血糖を改善します
糖尿病治療薬 α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)
α-GIは、オリゴ糖や単糖類類似の構造をもち、小腸粘膜刷子縁に局在する二糖類分解酵素を競合的かつ拮抗的に阻害します。
ジぺプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)阻害薬
DPP-4阻害薬の単独使用では低血糖は少ないが、特にSU薬との併用においては低血糖が高頻度に認められるため、注意が必要です。
速効型インスリン分泌促進剤 グリニド薬
グリニド薬は、SU骨格類似の立体構造を有するため、膵β細胞のSURに選択的に短時間結合し、KATPチャネルの閉鎖を介してインスリン分泌を促進します
糖尿病治療薬の効果と副作用 スルホニル尿素(SU)薬
SU薬は、β細胞のATP感受性K+チャネルを構成するSU受容体(SU receptor:SUR)に結合し、K+の細胞外への流出を抑制することにより膜を脱分極します。
糖尿病治療薬の効果と副作用 チアゾリジン(TZD)薬
脂肪細胞成分のマスターレギュレーターである核内受容体のPPAR-γ(peroxisome prolifetoractivated reccptoe-γ)を活性化することで、脂肪細胞分化を誘導します。
糖尿病治療薬の効果と副作用 ビグアナイド(BG)
ビグアナイド(biguanide:BG)は主として肝臓でのインスリン抵抗性改善による糖新生制御により、血糖を低下させます。
脂質異常治療薬 イコサペント酸エチル(EPA)
脂質異常治療薬イコサペント酸エチル(EPA)の概要・作用機序・効果・副作用についてまとめています。
脂質異常治療薬 ニコチン酸誘導体
脂質異常治療薬ニコチン酸誘導体の概要・作用機序・効果・副作用についてまとめています。
脂質異常治療薬 コレステロール吸収阻害薬(エゼミチブ)
脂質異常治療薬であるコレステロール吸収阻害薬(エゼミチブ)の概要・作用機序・効果・副作用についてまとめています。
脂質異常治療薬 プロブコール
脂質異常治療薬プロブコールの概要・作用機序・効果・副作用についてまとめています。
脂質異常治療薬 陰イオン交換樹脂レジン(胆汁酸吸着剤)
脂質異常治療薬 陰イオン交換樹脂レジン(胆汁酸吸着剤)の概要・作用機序・効果・副作用についてまとめています。
肺癌 PD-L1タンパク(IHC)SP263
肺癌 PD-L1タンパク(IHC)SP263 は、非小細胞肺癌患者における免疫チェックポイント阻害剤「デュルバルマブ」の適切な投与を行うための補助に用いられる検査です。
脂質異常治療薬 陰イオン交換樹脂レジン(胆汁酸吸着剤)
陰イオン交換樹脂は作用機序もはっきりしており、重大な副作用の少ない薬剤です。
脂質異常治療薬 フィブラート系薬剤
これまでにフィブラート系薬剤を使用したメタアナリシスの結果から、TGは36%、LDL-Cは8%低下し、HDL-Cは10%増加することが示唆されています。
代表的な脂質異常症治療薬
代表的な脂質異常症治療薬の概要・作用機序・効果についてまとめてみました。
脂質異常症の治療の基本
どのタイプの脂質異常症でも、食事療法や運動療法は必須です。ライフスタイルの修正にはある程度時間がかかるため、3〜6か月は経過を見ることになりますが、改善が不十分な場合は薬剤治療を実施することになります。
風疹ウイルス (HI) 風疹ウイルスIgG (EIA) クーポン
抗体検査を実施する医療機関・健診機関にて、検査結果を受診票に転記しやすいよう、定期接種の対象となる抗体価を基準値欄に表記し、受診票に合わせた単位が設定されています。
脂質異常症の治療の基本
どのタイプの脂質異常症でも、食事療法や運動療法は必須です。脂質異常のなかでも、特に高LDLコレステロール血症が動脈硬化症の発症因子となるといわれています。そのため、これを治療することが動脈硬化性疾患の発症予防となります。
脂質異常症(高脂血症)の分類
脂質異常症のなかの高脂血症の一般的な分類としてWHO分類(Fredrickson分類:表1)が使用されます。血中で増加しているリポ蛋白の種類によってI〜V型に分類されています
脂質異常症
コレステロール(総コレステロール:TC)または低比重リポ蛋白コレステロール(LDLコレステロール)と高比重リポ蛋白コレステロール(HDLコレステロール)およびTGを測定し、これらに異常値を認める場合を脂質異常症と呼びます。成因別には、原発性と続発性に分類されます。
血中腫瘍DNA(ctDNA)動態の臨床応用
病態進行のモニタリングは、腫瘍負荷とctDNA量との相関性を利用します。これは、最初期の研究で提案されており、デジタルPCRを用いると、従来の癌バイオマーカーと比較して遜色のない情報が得られます。
ctDNA検出 腫瘍特異的変異以外の配列異常
ctDNA検出において、分子バーコード技術を用いても以下の塩基配列異常は除くことができません。
血中腫瘍DNA検出 分子バーコード技術
現在、市場にある次世代シークエング用ctDNA検出キットは、ほとんど分子バーコード技術を使用しており、ctDNA検出の必須技術になっています。
血中腫瘍DNA検出 デジタルPCRと次世代シーケンサー
デジタルPCRでは、DNA溶液を限界希釈して一反応系に一分子以下含まれている状態を作り、PCR反応を行います。
血中腫瘍DNA(ctDNA)の生化学的性質
一般的に腫瘍量とctDNA量は相関していますが、腫瘍塊があってもctDNAが出現しない症例もあります。最近の初期肺癌に関する研究で、壊死病変、リンパ浸潤、高細胞増殖(Ki67index高値)により、ctDNA出現頻度が上昇するっことがわかっています。
リキッドバイオプシー
リキッドバイオプシーは、血中腫瘍細胞(circulating tumor cell:CTC)や血中腫瘍DNA(circulating tumor DNA:ctDNA)などの腫瘍成分を末梢血中で検出する新しい癌診断のアプローチです。
エクソソームを用いたリキッドバイオプシー肺癌
エクソソームを用いた診断薬開発が盛んに行われています。特に、血清や血漿中のエクソソームが内包するmiRNAや蛋白質が解析されています。
エクソソームの回収と検出方法
超遠心法を中心に、抗体を用いた回収法や体液からエクソソームを直接解析する方法など、さまざまなエクソソームの回収・解析法がすでに考案されています。
CTCを用いた分子生物学的検討
CTCを用いての変異解析、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)による遺伝子増幅解析および免疫染色による蛋白質の発現などの評価において、積極的な取り組みがなされています。
CTCの実臨床への応用の取り組み
血中循環腫瘍細胞(circulating tumor cell:CTC)を予後マーカーとしてだけでなく、治療についても判定のためのツールとして利用することについての取り組みも進んでいます。
CTCの検出法
血中循環腫瘍細胞(CTC)の検出法についてはさまざまな取り組みが行われていますが、これまでに米国食品医薬品局(FDA)の承認を受けた唯一の検出系であるCellSearchシステムを用いての検出が最も確立されたものといえます。
血中循環腫瘍細胞CTCの発生機序
CTCは、原発巣組織由来の腫瘍細胞が血管内に侵入し(intravasation)、さらに血液中で存在することが可能な性質を獲得した腫瘍細胞と考えられています。
血中循環腫瘍細胞(CTC)MRDとDTC
循環腫瘍細胞(CTC)は複数の固形癌において予後予測因子であることが報告されており、臨床的意義を有することがこれまでの研究により確認されています。
リキッドバイオプシー
リキッドバイオプシーと呼ばれる液性検体を用いた診断技術が、研究だけでなく実際の診断のためのツールとして臨床の場にも導入されています。
プレシジョンメディシン
癌医療においてプレシジョンメディシンの推進が求められており、繰り返しでの診断を可能とする非侵襲的診断に対するニーズが高まっています。
マルベリー小体・マルベリー細胞の形態学的特徴
ファブリー病で観察されるマルベリー小体の形態学的特徴は、渦巻構造を呈した脂肪球であり、大きさは2〜10μmほどです。
ファブリー病の症状
ファブリー病では主に以下のような症状がみられます。
ファブリー病
ファブリー病では尿沈渣中にマルベリー小体・マルベリー細胞といった特徴的な成分が認められます。この成分の検出はファブリー病の臨床診断に有用
サイトメガロウイルスIgG
CF法はスクリーニング、EIA法はIgMで初感染や再活性化の診断指標となります。CF法やEIA法(IgG)は、期間をあけたペア血清で測定しなければ、病期の判定は難しいとされています。
サイトメガロウイルス pp65抗原(C7-HRP)
白血球中のサイトメガロウイルス抗原を検出し、活動性サイトメガロウイルス感染症を早期にかつ迅速に診断することが可能です。
オートファジーと疾患 がん
オートファジーの障害は、細胞の腫瘍化の起因となりますが、オートファジーの恒常的活性化はがん細胞の代謝要素性を満たすことから、がんとオートファジーの関連は複雑です。
オートファジーと疾患 NAFLD
過栄養状態ではさまざまな機序でオートファジーが抑制されます
オートファジーと疾患 クローン病
変異型ATG16L1は飢餓などの代謝ストレス条件下においてカスパーゼ3により切断を受け、その結果オートファジー活性が低下することが報告されています。
オートファジーと疾患 SENDA/BPAN病
SENDA/BPAN病は脳内鉄沈着を伴う神経変異疾患の1つで小児期から非進行性の知的障害、成人期に急速に進行するジストニア、パーキンソン様症状および認知症を呈します
オートファジーと疾患 パーキンソン病
常染色体劣性遺伝性パーキンソン病遺伝子PAAK2にコードされるユビキチンリガーゼPaekinがオートファジーによるミトコンドリアの選択的分解(マイトファジー)を惹起することが報告されました。
オートファジーと老化
線虫やマウスなどにおいて、オートファジーの亢進を伴う遺伝子変異や薬剤処理は老化の遅延および寿命の延長を引き起こします。
ユビキチン
ユビキチン (ubiquitin) は76個のアミノ酸からなる蛋白質で、他の蛋白質の修飾に用いられ、蛋白質分解、DNA修復、翻訳調節、シグナル伝達などさまざまな生命現象に関わっています。
オートファジーの生理機能
オートファジーは、大別して2つの生理機能をもつことが明らかにされています。一つはアミノ酸などの分解産物の提供であり、飢餓応答・初期胚発生・細胞分化・抗原提示などに関与します。
赤痢アメーバDNA 定性
PCR法により、検体中の赤痢アメーバDNAを特異的に検出する定性検査です。病原体自体の存在を証明する検査法として、アメーバ赤痢の診断補助に有用です。
選択的オートファジー
ミトコンドリアなどの細胞小器官や細胞内侵入性細菌などが、オートファジーにより選択的に分解されることが判明しています。
オートファゴソーム形成の分子機構
オートファゴソームは、コアAtg蛋白質から構成される6つの機能単位が協調的かつ連続的に作用することにより形成されます。
オートファジーの分子機構
オートファジーのもっとも特徴的な構造体であるオートファゴソームは、6つの機能単位に分類されたコアAtg蛋白質群により形成されます。
オートファジーとは
オートファジーは細胞内における分解の場である細胞小器官ライソゾーム(=リソソーム)で、細胞質成分を分解する機構の総称です
尿中エクソソームの日内変動と安定性
研究者によって尿中エクソソームが4℃や−80℃での保存においても安定して存在すること、さらに凍結した資料を解凍した後はミキサーで攪拌しエクソソーム粒子を拡散させることが重要であることが報告されています。
エクソソーム蛋白質の分析 回収法と留意点
生体資料からエクソソームを回収する方法として、超遠心分離法・密度勾配遠心法・精密密度濾過法・抗体補足法・ゲル濾過法などが報告されていますが、それぞれ一長一短があります。
尿中ポドサイト数と関連疾患
尿中脱落ポドサイトの出現は、糖尿病性腎症、巣状分節性糸球体硬化症、IgA腎症、活動性ループス腎炎において報告されていますが、微小変化型ネフローゼ症候群や膜性腎症ではあまり認められません。
ポドサイト糸球体足細胞
ポドサイトは、糸球体基底膜(glomerular basement membrane:GBM)を外側より覆う高度に分化した上皮細胞です。
セルロプラスミン
血清銅を運搬する肝由来の血漿蛋白で、Wilson病で低下する一方、急性相反応蛋白として炎症で増加します。
エクソソームに内包される蛋白質と腎疾患との関連
これまでに、尿中から分離されたエクソソームより、1,000種類以上の蛋白質が同定されていますが、回収されるエクソソームの量が少ないため、定量的な検討が難しいのが現状です
糖尿病性腎症の尿中バイオマーカー
糖尿病性腎症の新たなバイオマーカーとして、腎症に特徴的な糸球体病変・尿細管間質障害・酸化ストレス・代謝・炎症に関連する因子などが検討されています。
尿中エクソソーム分析のメリット
エクソソームを分泌した由来細胞のわずかな変化を検出可能という点が最大の特徴です。それに加えて、尿中エクソソームの分析は次のようなメリットが考えられます。
エクソソームとは
エクソソームは、脂質二重膜で覆われた、直径100nm程度の小胞であり、その生成過程は、エンドサイトーシスにより細胞膜が内側に陥没し、エンドソームを形成することで始まります。
尿中分泌型FSP-1濃度
FSP-1(fibroblast specific protein-1)は、線維芽細胞のさまざまな役割を果たす蛋白です。
MCP-1 単球の活性化因子
単球の活性化因子として発見された蛋白で、単球以外へもさまざまな作用をもち、炎症の際リンパ球の組織浸潤を促します。
IL-18 インターロイキン-18
血液悪性腫瘍や炎症性疾患、自己免疫疾患において、血漿中のIL-18濃度が高くなることが報告されています。
IL-1 インターロイキン-1
IL-1の生物活性として、T細胞・B細胞・NK細胞・内皮細胞などの活性化、好中球増加・接着分子の発現促進、IL-1〜IL-8の誘導、TNF、IFN、CSF等の誘導などが知られています。
ペントシジン
ペントシジン(Pentosidine)は、リジン残基とアルギニン残基が五炭糖により架橋された構造を持つAGEsです
尿中KIM-1 腎尿細管壊死のバイオマーカー
KIM-1は腎臓や精巣で最も高レベルで広く発現し、腎臓のダメージや特に近位尿細管損傷のバイオマーカーとして役立っています。
尿中α1-マイクログロブリン
尿中α1M測定は、肝実質細胞障害の程度や予備能を反映し、腎糸球体、尿細管機能障害の指標として臨床上有用性があります。
尿中トランスフェリン
尿中トランスフェリンは、糖尿病の最も重要な合併症の一つである糖尿病性腎症の早期マーカーとして利用されており、早期発見・早期治療に有用です。
尿中アルブミン
この初期の病変(早期腎症)を診断する指標の一つとして尿中微量アルブミンが測定され、微量アルブミン尿を呈する症例の多くは後に持続性蛋白尿を呈し、糖尿病性腎症に移行することが明らかにされています。
糖尿病性腎症 アルブミン尿の問題点
アルブミン尿・蛋白尿は、糖尿病診療を考えるうえで重要なバイオマーカーであるものの、これら単独のみでは、全ての糖尿病患者のリスク評価には不十分です。
糖尿病性腎症 アルブミン尿の臨床的重要性
アルブミン尿の増加は、腎不全期への進展の予測因子であるだけでなく、脳・心血管疾患の重要な危険因子でもあることが、多くの疫学研究により明確になっています。
腎症の診断と病期分類
尿中バイオマーカーである尿中アルブミン排泄量(あるいは蛋白尿)と糸球体濾過量(glomenular filtration rate:GFR)の2つの指標を用いて、腎症の臨床診断と病期分類を行っています。
糖尿病性腎症のバイオマーカー
糖尿病性腎症は、長期間の高血糖状態により惹起される糖尿病に特有な細小血管合併症の1つであり、透析患者の原因疾患の第一位を占めています。
尿中8-OHdG 糖尿病性腎症のバイオマーカー
8-OHdG(8-Hydroxydeoxyguanosine)は、DNAの構成成分であるデオキシグアノシン(dG)が活性酸素などのフリーラジカルにより酸化されて分子内に生成する物質です。
心血管系の老化にかかわる蛋白糖化最終産物AGEs
生体内では、さまざまな構造のAGEsが産生されており、特に加齢や血糖値の高い糖尿病患者では、その産生量がおおくなって組織に沈着し、心血管系合併症、腎症などの発症に深く関連していることが明らかになっています。
高齢者における甲状腺機能検査結果の取り扱い
加齢による潜在性甲状腺機能低下症の動脈硬化性疾患のリスク軽減や超高齢者における寿命延長効果も考慮すると、高齢者においては、より適切な甲状腺機能の評価には、年齢群別基準値に基づいた甲状腺機能検査の判定の重要性が示唆されます。
高齢者における潜在性甲状腺機能低下症によるリスク
高齢者における潜在性甲状腺機能低下症の影響については、若年成人と比較して軽度であることが明らかになりつつあり、治療の要否についても議論されています。
次世代シーケンサー
次世代シーケンサー(Next Generation Sequencer:NGS)は、2000年半ばに米国で登場した、遺伝子の塩基配列を高速に読み出せる装置です。
先天性QT延長症候群遺伝子解析
血液から抽出したゲノムDNA中の検査対象遺伝子KCNQ1、KCNH2、SCN5A 遺伝子を次世代シークエンス法で解析します。
高齢者の甲状腺機能低下症は寿命延長効果が
近年、老年期の甲状腺機能が低下傾向にあることは長寿命と関連があることが示されています。
高齢者における甲状腺機能低下症の診断
高齢者では合併する慢性疾患により、一般検査所見において異常値を示すことが少なくありません。コレステロール値(特にLDL)・クレアチンキナーゼ(CK)・トランスアミナーゼの高値や、貧血、心不全などの所見がみられたときも、積極的に甲状腺検査を行うべきです。
加齢に伴う甲状腺ホルモン調節系の変化
加齢によるTSHの上昇は、下垂体から分泌されるTSHの生物学的活性の低下による、TSHのセットポイントの変化が原因ではないかと考えられています。
認知機能障害 嗅覚検査
アルツハイマー型認知症(AD)やLewy小体型認知症を含む神経変性疾患では、嗅覚伝導路に病理学的変化(神経原線維変化)が 発生し、嗅覚は早期から比較的高頻度に障害されます。
パーキンソン病
改訂ガイドラインでは、運動緩慢が見られることを必須の条件とし、加えて静止時振戦か筋強剛のどちらか、あるいは両方が見られるものをパーキンソニズムと定義しました。
認知症の脳脊髄液検査 タウ蛋白・リン酸化タウ蛋白
細胞内輸送の安定化に寄与するが、リン酸化を受けると不安定となり、アルツハイマー病など神経疾患を惹起。
認知症の診断 認知機能検査
わが国で最も広く利用されてきたスクリーニング検査は改訂長谷川式簡易知能評価スケールで、所要時間は10分程度です。
認知症の診断 問診・身体神経学的診察
認知症の診断に問診は大きな位置を占めます。その後、各種検査を行い、病型や治療可能な疾患・病態の確定へと進めていきます。
認知機能障害 原因となる疾患例
認知症は様々な疾患で発生しますが、その病型においては。アルツハイマー型認知症(AD)と血管性認知症のタイプで約80%を占めています。
膵腫瘍の画像検査 ERCP・EUS・PET
ERCPは主膵管のみならず膵管分枝が、他の検査に比べて最も明瞭に描出できます
膵腫瘍の画像検査 US・CT・MRI
USは、患者への苦痛や侵襲が少なく、各画像診断のなかで膵の形態診断が最も容易にできる検査法です。
膵腫瘍 その他の生化学的検査・細胞診・組織診
インスリン、ガストリン、ソマトスタチン、血管作動性腸管ポリペプチド(vasoactive intestinal polypeptide:VIP)、膵ポリペプチド(pandreatc polypeptide:PP)などに異常がみられた場合は診断に役立ちます。
膵腫瘍の臨床検査 腫瘍マーカー
膵腫瘍の代表である膵癌は上皮由来の腺癌であり、腫瘍マーカーとして、腺癌に比較的特異度の高い癌胎児性抗原(CEA)、糖鎖抗原19-9(CA19-9)、DUPAN-2、などが用いられます。
オートタキシン 初期の肝線維化を判別
オートタキシンは、初期の肝線維化を判別できる新しい血中マーカーです
膵腫瘍の臨床検査 膵酵素
膵腫瘍では膵組織破壊や膵管閉塞によって膵管内圧が上昇し、血中に膵酵素が逸脱して上昇します。測定に用いられるのは、アミラーゼ、リパーゼ、エラスターゼ1などです
膵腫瘍の診断
膵腫瘍の診断は、「日本膵臓学会 膵癌診療ガイドライン」の診断アルゴリズムによって行うことが推奨されます。
慢性膵炎の診断に必要な検査
代償期には間欠的腹痛に伴い血中膵酵素の反復性の上昇を認めます。血中酵素の測定には膵特異性の高いアミラーゼ、リパーゼ、エラスターゼ1などを用います。
慢性膵炎の診断基準
慢性膵炎の診断は、日本膵臓学会の提唱する「慢性膵炎臨床診断基準2009」によって行います。
慢性膵炎
慢性膵炎は腹痛発作を繰り返し、炎症の程度に応じて種々の合併症(膵石、膵仮性嚢胞、膵性胸水・腹水、仮性動脈瘤など)を併発しつつ、終末像として膵の外分泌機能・内分泌機能の低下をきたす進行性の疾患です。
急性膵炎における臨床検査のポイント
急性膵炎の診断における血中アミラーゼ値の感度は、カットオフ値や急性膵炎自体の診断方法の違いによって幅があり、67〜100%とされています。
アミラーゼ定量 血清・尿
膵臓や唾液腺より分泌される消化酵素で、急性膵炎や耳下腺炎で上昇し、高値をみた時はアイソザイムにより由来臓器を推定します。
P型アミラーゼ定量 アミラーゼアイソザイム
膵膵、唾液腺の逸脱酵素。各種の膵疾患ではP型、唾液腺疾患、腹部疾患ではS型、マクロアミラーゼ血症では分類不能型が上昇します。
α2-マクログロブリン
α2-マクログロブリン(α2-macroglobulin:α2-MG)の機能は、蛋白分解酵素(プロテアーゼ)と結合して複合体を形成し、血中から短時間のうちに除去することにより酵素機能の不活性化に作用するプロテアーゼ・インヒビターの一つ
リパーゼ
脂肪を分解する消化酵素で、膵臓由来の糖蛋白です。急性・慢性膵炎などの膵疾患で逸脱酵素として血中に上昇します。
ネフェロメトリー(Nephelometry)
抗原抗体反応による混濁物に光を照射させ、光の散乱強度を測定する方法。
血中トリプシン測定
トリプシン(trypsin)は膵臓から分泌される201個のアミノ酸からなる分子量22,900の蛋白分解酵素です。トリプシンは膵以外の臓器には存在しないため、膵特異性はアミラーゼやリパーゼより高く、膵疾患の検査に有用です。
急性膵炎の病態
急性膵炎の発生機序は、Oddi括約筋の攣縮や蛋白栓による膵管閉塞によって膵液の流出障害が生じた結果、膵内で蛋白分解酵素が活性化(自己消化)することによって引き起こされると考えられています。
急性膵炎の診断基準と重症度判定
急性膵炎は、膵内で膵消化酵素が活性化されることで引き起こされる膵臓の急性炎症です。急性膵炎の大部分は軽症ですが、臓器不全や感染壊死を伴う重症急性膵炎の予後は不良であり、診断とともに重症度判定を行うことが重要となります。
PeOPLe ICTを活用した次世代型保健医療システム
PeOPLeは患者個人と国民を中心にした保健医療データをどこででも活用できるオープンな情報基盤とされ、個人で健康や疾病の管理に役立てたり、個人の保健医療データを専門職と共有して最適なケアを受けたりすることが想定されています。
膀胱癌 FISH(ウロビジョン)膀胱がんの再発の診断補助
膀胱癌FISH(ウロビジョン)は、膀胱がんの再発の診断補助に用いる検査です。
カロリー制限によるCKDのアンチエイジング
アンチエイジングの観点では、カロリー制限があらゆる動物種において長寿をもたらす手段です。その責任分子は、哺乳類ではニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)依存性ヒストン脱アセチル化酵素であるsirtuin遺伝子ファミリーのSIRT1です。
重症熱性血小板減少症候群SFTSの治療法開発研究
この結果をもとに、日本医療研究開発機構(AMED)からの研究費支援を受けて、2016年6月からSFTS患者にファビピラビルを投与することで治療効果が得られるかどうかを調査する医師主導型臨床試験が始まり、2018年4月からは企業治験が開始されています。
加齢腎に対するRAS阻害薬の有用性
レニン・アンギオテンシン系(RAS)阻害薬は、その臓器保護作用を期待して腎炎治療に用いられていますが、抗加齢効果も期待できる薬剤とも考えられます。RASは水・電解質・循環血液量および血圧の調節を行っています
炎症性老化と腎性老化
慢性炎症が老化や生活習慣病の進行に深く関係していることが明らかになっています。炎症老化(inflammaging)という概念が提唱され、加齢を炎症として捉えています。
腎臓の老化 加齢腎のバイオマーカー
CKDと加齢腎には類似した病理組織学的変化が認められ、腎障害の共通した進行過程が存在することが示唆されるため、加齢腎のバイオマーカーには腎障害マーカーが有用となります。
α1マイクログロブリン(α1M)
α1マイクログロブリン(α1M)は分子量約30,000、糖含量約20%で、主として肝細胞で産生される糖蛋白で血液、尿など体液中に広く存在し、白血球遊走能やリンパ球機能の抑制作用をもつ。
腎臓の老化 加齢による腎の生理学的変化とCKD
加齢によって、糸球体濾過量(glomerular filration rate:GFR)、腎血漿流量、尿濃縮力ともにほぼ直線的に低下します
腎臓の老化 加齢による腎病理学的所見の変化
老化によってネフロン(腎小体と尿細管)数の減少や機能低下が生じると、腎臓のもつ予備能は徐々に低下していきます。
老化(SIRT・細胞老化)と非アルコール性脂肪肝炎NASH
細胞のエネルギー状態に応じて、ヒストンなどの基質蛋白質を脱アセチル化することにより、細胞増殖やエネルギー代謝、ストレス応答、炎症など、多くの生体反応の制御に関与
老化(加齢・テロメア)と非アルコール性脂肪肝炎NASH
NAFLDの性・年齢別頻度は、肥満人口の頻度を反映し、男性は30歳代から20%以上の有病率を示し、女性は30〜60歳代にかけて加齢とともに増加kします。
アンチバイオグラム
アンチバイオグラムとは、細菌ごとの抗菌薬感受性率表のことです。
細菌同定検査 質量分析装置の応用
分子系統分類の研究分野では、DNAトポイソメラーゼ遺伝子(gyrB)の塩基配列に基づいた系統樹と、質量分析装置による系統樹の分類結果が相関する
施設ごとの検査の検証の必要性に関する推奨24・25
今後は世界中のANA/自己抗体検査を行う検査室がこのような検証を求められる流れになりそうです。
質量分析装置による細菌同定の利点と欠点
質量分析装置による細菌同定のメリット従来の同定検査が抱えるさまざまな問題を解決できます。
抗ENA抗体 疾患特異的自己抗体検査に関する推奨19〜23
ANA検査に関する推奨の19〜23は抗ENA抗体測定についての推奨です。抗ENA抗体とは、抗Sm抗体、抗RNP抗体、抗SS-A抗体といった疾患特異的自己抗体の総称です。
MALDI-TOF MS 質量分析装置を利用した細菌同定
質量分析装置を利用することによって、コスト面で躊躇なく同定検査に進むことができ、一般細菌のみならず抗酸菌、真菌が約10分で同定可能になりました。また、アンチバイオグラムとの併用で、適正かつ迅速な抗菌薬選択に寄与できます。
抗二本鎖DNA抗体に関する推奨14〜18
ANA検査に関する推奨の14〜18は、抗二本鎖DNA抗体の測定に関する内容です
ANA検査に関する推奨1〜13 補足
ANA検査に関する推奨の1〜13は膠原病を診断するANAスクリーニング検査についての内容です。
抗核抗体(ANA)と抽出核抗原(ENA)という表記
一般に抗核抗体と呼ばれる、細胞成分に対する自己抗体試験に関する25項目の推奨では、その記載にあたり、まず最初にANAと抽出(可溶性)核抗原(extractable nuclear antigen:ENA)についての言及があります。
抗核抗体ANA検査の推奨recommendationの必要性
3段階で行われた推奨決定のプロセスの最終段階ではDelphi法が用いられており、最終結論として表示されている25項目の推奨にはそれぞれにDelphi score(mean±SD)も記載されています。
ANA 自己抗体検査に関する25項目の推奨
一般に抗核抗体と呼ばれる、細胞成分に対する自己抗体検査に関する25項目の推奨
IDH1/2遺伝子解析 グリオーマ
神経膠腫のIDH1遺伝子のコドン132、IDH2遺伝子のコドン172の変異を解析します。
自己免疫性膵炎 膵外病変の病態と関連した検査
下垂体炎は、視神経圧迫、汎下垂体機能低下症。抗利尿ホルモン分泌異常症(SIADH)、副腎機能低下症などの多彩な症状を認めます。MRI検査では下垂体、下垂体茎の腫大を認めます
自己免疫性膵炎の病態と関連した検査
自己免疫性膵炎では膵頭部腫大による下部胆管狭窄・閉塞をきたし、閉塞性黄疸で初発することが多いため、ビリルビン、胆道系酵素、アルカリフォスファターゼ、γ-GTP、の上昇を70〜80%に認めます。
自己免疫性膵炎
自己免疫性膵炎は、IgG4が関連するLPSP(lymphoplasmacytic sclerosing pancreatitis)が1型、GELを認めるものが2型と分類されています。
BT-PABA試験
BT-PABA(N-benzoyl-L-tyrosyl-p-aminobenzoic acid)試験は膵臓の外分泌機能をみる検査です。
老化 加齢による二次性副甲状腺機能亢進症
加齢によってPTHの血中濃度が上昇することは知られていますが、これは必ずしも血中カルシウム濃度の低下によるものではなく、ビタミンD活性障害に起因し、副甲状腺でのPTH分泌抑制作用不全による可能性が考えられています。
老化 副甲状腺ホルモン過剰と骨代謝
加齢による生理的な二次性副甲状腺機能亢進症があっても、持続的なPTHの過剰は骨吸収の亢進をもたらします。
老化による腎機能低下の骨ミネラル代謝
腎糸球体濾過率は様々な原因によって低下しますが、加齢に伴って軽度の血圧上昇や耐糖能異常などを背景として腎障害が進行することが多くあります
老化 性腺機能低下と骨吸収の亢進
女性における閉経は、加齢に伴う性腺機能低下であり、そのために骨吸収の著しい亢進がもたらされ、急速に骨量の減少が進行します。閉経に伴う骨吸収の亢進は、エストロゲンの減少によってもたらされます。
加齢と骨形成の低下 IL-11
骨芽細胞の減少と脂肪細胞の増加を一元的に説明する機序として、骨髄間質細胞から分泌されるインターロイキン11(interleukin-11:IL-11)が加齢によって減少することが明らかにされています
加齢と骨形成の低下 酸化ストレス
最近、注目されているのは、酸化ストレスの蓄積によって骨形成の低下がもたらされるという可能性です。加齢によって活性酸素の産生が高まり、酸化ストレスが骨芽細胞をはじめとする骨組織にももたらされます。
肝線維化の改善
ウイルス性肝炎に対する治療が劇的に進歩し、ウイルスの排除または抑制にとる肝実質の炎症のコントロールに従って、繊維かも改善することが報告されています。
フレイルの診断 フレイル・インデックス
フレイル・インデックスは、Friedらの定義と厚生労働省の基本チェックリスト(Kihon check list:KCL)などをもとに、二者択一形式で5項目で構成されています。
Ronco分類とは
Ronco分類は、2008年にRoncoらによって提唱されたもので、心腎症候群(cardio-renal syndrome:CRS)を発症機転と経過から1〜5型に分類しています。
高齢者における臨床検査
個体の老化程度を知る的確な老化バイオマーカーは、残念ながらいまだに発見されていません。そのため、臨床検査でも老化程度を測る測定項目はありません。
老化のメカニズム 老化関連遺伝子
遺伝子変異によるインスリン/IGF-1シグナルの抑制は、細胞内での代謝を低く抑え、その状態を長く続けさせることによって個体の寿命を延長させると考えられています。
老化のメカニズム 活性酸素と老化
個体の老化を進行させる原因の1つは、活性酸素種の異常な産生や、その蓄積による細胞や組織の機能低下であると考えられています。
H.pyloriと鉄欠乏性貧血
第一にH.pylori感染による消化管粘膜障害や胃粘膜萎縮に伴うアスコルビン酸の吸収低下に起因する鉄吸収障害があげられます
H.pyloriと免疫性(特発性)血小板減少性紫斑病
「ITP治療ガイドライン」でも、ITPの診断確定後にまずH.pylori検査を行い、陽性例に対しては治療の第一選択としてH.pylori除菌療法を行うことが推奨されています。
FGF-23 線維芽細胞増殖因子 23
FGF-23 の作用異常が関係する疾患には、低リン血症性くる病・骨軟化症などの代謝性骨疾患が あり、これらの疾患では、血中 FGF-23 濃度が上昇することが明らかになっています。
老化のメカニズム 細胞の老化
ヒトの正常な皮膚線維芽細胞は、一定の回数(50回ほど9だけ分裂すると、それ以上は分裂しなくなります。この現象は、1961年にHayflick博士により発見され、細胞には寿命があり、老化することが示されました。
星細胞活性化の機序 慢性肝障害の場合
ウイルス感染や脂肪性肝炎などの炎症が慢性化すると、AP-1やJNKなどの転写因子の持続活性化とともに星細胞も持続活性化し、組織にI型コラーゲンが蓄積します。
星細胞活性化に関与する細胞 肝細胞
様々な原因によって肝細胞が障害されると、活性酸素、hedgehog ligands、ヌクレオチドなどをメディエーターとして、炎症と線維かが促進されます。
老化のメカニズム 個体の老化
ヒトでの老化は、加齢に伴う生理機能低下による、臓器や器官の機能低下を意味します。
ヘリコバクターピロリ除菌療法適応疾患
日本ヘリコプター学会の「H.pylori感染の診断と治療のガイドライン2016改訂版」ではH.pylori除菌療法適応疾患として以下のものがあげられています。
NASH/NAFLDの線維化診断におけるM2BPGi
M2BPGi(Mac-2 binding protein glycosylated isomers:Mac-2結合蛋白糖鎖修飾異性体)はNAFLDにおいても線維化進展に伴い上昇することが報告され、M2BPGi中央値(C.O.I)はF0:0.46、F1:0.66、F2:0.93、F3:1.28、F4:1.98と線維化が進展するにつれて増加しています。
肝線維化マーカー M2BPGi
慢性肝炎から肝硬変への進展度を推定する新しい血中指標。肝線維化に伴う糖鎖構造部分の変化を特異的に検出します。
肝線維化評価バイオマーカー FIB-4 index
複数の血液検査の結果を組み合わせて肝線維化を推定する、線維化評価法の中では、FIB-4indexが実臨床で最も使用されています。
プロコラーゲンIIIペプチド(P-III-P)
コラーゲンが生成される際、プロコラーゲンから遊離するペプチド。肝炎から肝硬変への進展時に、肝臓の線維化を示す指標。
星細胞の活性化に関与する細胞 マクロファージ系細胞
肝臓では、マクロファージ系細胞は、Kupffer細胞と単球由来マクロファージに大別されます。
星細胞の活性化に関与する細胞 NK細胞・NKT細胞
NK細胞は、インターフェロンγ産生を介する活性化星細胞・老化星細胞の殺傷に加え、デスレセプターリガンドの産生による星細胞のアポトーシス誘導によって、繊維化抑制的な性質を示します。
老化のメカニズム 老化とは
生理機能低下の速さは全てのヒトで同じではなく、個体ごとにバラバラです。老化すなわち生理機能の低下は、遺伝的要因や生活・環境要因が複雑に絡み合っていて、それぞれの個体に与える影響が異なるからです。
星細胞活性化に関与する細胞 類洞内皮細胞・血小板・B細胞
血小板は、肝線維化を促進するPDGF-BBやTGF−βの主要な供給源であり、慢性肝疾患において星細胞の活性化に関与しています。
星細胞活性化の機序 一過性肝障害の場合
肝炎ウイルス感染やアルコール摂取、脂肪沈着などで肝細胞が壊死して脱落すると、局所に微小な出血が生じ、血小板凝集とフィブリン形成で一時的に傷がふさがれます。
細胞外マトリックス ECM
。活性化星細胞は肝障害に対する反応として線維産生を行い、肝線維化を進行させます。肝障害が消失すると、活性化星細胞は細胞老化・不活性型への逆行・アポトーシスなどの機序によって除去されます。
若い女性の慢性頸部痛は高安動脈炎の可能性
8つの所見で複数項目が該当すれば高安動脈炎を強く疑い、症状が持続する場合には血液検査でCRPや血沈などを調べて陽性ならば、高安動脈炎の可能性は高くなります。
IL-6 インターロイキン6
IL-6は分子量21〜28KDa、等電点 5.0の 184個のアミノ酸(human IL-6) からなる分泌型の糖蛋白で、 4つのシステイン・2ヶ所のN型糖鎖結合部位を有しています。
糖尿病患者は癌になりやすい?
一見、全く関係がなさそうなこの2つの病気ですが、日本人の糖尿病患者の死因で最も多いのは癌です
指定難病について
難病とは「発病の機構が明らかでなく」「治療方法が確立していない」「希少な疾患であって」「長期の療養を必要とする」疾患、と定義されています。
ウイルス抗原検査に用いられる検査法の測定原理と特徴
シェル・バイアル (円筒形容器) 内のスライドグラスに感受性細胞を培養し、検体を接種した後遠心操作を行う。 24〜48時間培養後に、ウイルス特異的抗体を用いた蛍光抗体法 (FA) により、培養で発現したウイルス特異抗原を検出。
ウイルス抗体検査に用いられる検査法の測定原理と特徴
ウイルス抗体検査に用いられる検査法の測定原理と特徴をまとめています。
HTLV-1抗体確認検査 ラインブロット法
HTLV-1抗体・ラインブロット法は、HTLV-1感染の診断補助に、判定保留率の低減が期待される新しい確認検査です。
肝線維化とは
肝線維化は、ウイルス肝炎・アルコール性肝障害・自己免免疫性肝炎や非アルコール性脂肪性肝炎など種々の病因に対する生体防御の結果として生じる病態です。
治療薬物モニタリングTDMにおけるトラフ値とピーク値
薬物を連続して投与した場合、次回投与直前の血中濃度は投与間隔のなかで最も低い値となります。この血中濃度が最も低い時の値をトラフ値といいます
治療薬物モニタリングTDM
治療薬物モニタリング(therapeutic drug monitoring:TDM)は、薬物の体内における血中濃度を測定して、その効果を確実にし、副作用を回避するために行われます。
腎性低尿酸血症 尿酸値は低くても問題あり
腎性低尿酸血症(renal hypouricemia:RHUC)は腎臓の近位尿細管細胞における尿酸再吸収輸送体分子の機能不全に起因する遺伝性疾患であり、文字どおり低尿酸血症がおもな特徴です。
侵襲時の蛋白代謝
侵襲とは、生体内の恒常性を乱す事象全般をいいます。疾患だけでなく手術や医療処置も侵襲を加えることになります。侵襲が加わると損傷した組織修復の為にエネルギー需要が増大します。
飢餓時の蛋白代謝クワシオルコル
クワシオルコルは、蛋白質・栄養障害(protein malunutrition:PM)であり、投与エネルギー量不足に比べて投与蛋白質の不足が顕著な場合の病態
サイトメガロウイルス核酸検出(新生児尿)
サイトメガロウイルス核酸検出は、先天性CMV感染が疑われる生後3週間以内の新生児を対象に、尿中のCMVの核酸を検出する定性検査です。出生直後の感染と区別するために、生後3週間以内に採取した尿での測定が推奨されています。
病態における蛋白代謝 サルコペニア
加齢や疾患によって必要蛋白量が摂取できなくなると、蛋白質貯蔵器官の側面を持つ筋肉量が減少します。これに伴い握力や下肢筋・体幹筋なそ全身の筋力低下が起こることをサルコペニアといいます。
Ronco分類の病態解析に有用な臨床検査 Type5
心臓と腎臓には、主たる原因はなく、敗血症などの全身病態悪化に伴い、心機能低下と腎機能低下が同時に起こっている状態をいいます。
侵襲時の蛋白代謝
侵襲とは、生体内の恒常性を乱す事象全般をいいます。疾患だけでなく手術や医療処置も侵襲を加えることになります。侵襲が加わると損傷した組織修復の為にエネルギー需要が増大します。ここで利用される基質はグルコースです。
飢餓時の蛋白代謝クワシオルコル
クワシオルコルは、蛋白質・栄養障害(protein malunutrition:PM)であり、投与エネルギー量不足に比べて投与蛋白質の不足が顕著な場合の病態で、内臓蛋白の高度減少が特徴です
Ronco分類の病態解析に有用な臨床検査 Type4
慢性的な腎機能低下は高血圧、動脈硬化、貧血、尿毒症の蓄積などをきたします。
動脈の硬さの指標CAVI 動脈硬化検査
CAVI(Cardio Ankle Vascular Index)キャビィは大動脈を含む心臓(Cardio)から足首(Ankle)までの動脈(Vascular)の硬さを反映する指標です。
Ronco分類の病態解析に有用な臨床検査 Type3
腎機能の低下は水・ナトリウムの貯蔵、高カリウム血症などの電解質異常や、尿毒素の蓄積をきたし、これらが不整脈や急性冠症候群(ACS)などを引きおこします。したがってType3では、特にACSの診断と尿毒素の蓄積量の評価が重要となります。
心臓型脂肪酸結合蛋白 H-FABP
心臓型脂肪酸結合蛋白(human heart fatty acid binding protein:H-FABP)は、心筋細胞の細胞質に存在しており遊離脂肪酸の細胞内輸送に関与する低分子可溶性蛋白です。心筋に特異的で、早期における急性心筋梗塞の診断指標となります。
検査結果の所見で 脂肪肝
脂肪肝(fatty liver)は、肝臓に中性脂肪が蓄積し脂肪空胞が形成された状態をいいます。ほとんどが無症状ですが、腹部超音波検査で見つかる人が増えています。脂肪肝になると超音波画像では肝臓が白っぽく光って映ります。
Ronco分類の病態解析に有用な臨床検査 Type2
慢性疾患による左心室が肥大した病態による機能低下、拡張不全、心筋症が原因となり、慢性の腎虚血状態となります。うっ血性心不全で入院した患者の63%心腎関連の状態を認めるという報告もあり、Type2では心不全の評価が重要となります。
バイオピリン 酸化ストレスマーカー
ビリルビンは活性酸素と直接反応することで抗酸化作用を発揮し、活性酸素を還元化します。その酸化代謝物質の一部がバイオピリンとなり尿中にも排泄されます

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