健康診断・血液検査MAP2 - S100タンパクの主な生体内局在

近年、S100タンパクはS100A1〜16、S100B、S100G、S100Zと20種類に分類されており、これらは“S100ファミリー”と総称されます。

S100タンパクの主な生体内局在

S100タンパクは、神経・皮膚・唾液腺・脂肪・軟骨などの正常な細胞に発現します。これらの細胞に由来する腫瘍や、特定の疾患の病変部でもS100タンパクが産生されていることがわかり、そのタンパクの局在や機能に関する研究は現在進行形で活発です。
1955年にウシの脳から、分子量約20kDaの酸性タンパクが精製されました。このタンパクは、100%飽和状態の硫酸アンモニウム溶液と混合しても析出せずに可溶(ssoluble)という性質を有しており、これがS100タンパクの名称の由来になっています。
近年、S100タンパクはS100A1〜16、S100B、S100G、S100Zと20種類に分類されており、これらは“S100ファミリー”と総称されます。

S100タンパクの主な生体内局在 の続きを読む

過活動膀胱の診断

過活動膀胱(overactive bladder:OAB)は尿意切迫感を主症状として、頻尿あるいは切迫性尿失禁を伴う自覚症状症候群と定義されています。
診断のひとつに過活動膀胱症状スコア(Overactive bladder Symptom Score:OABSS)があります。

OABSS問診票 ( )内は点数
1)頻尿:朝起きた時から寝るまでに、何回くらい尿をしましたか
・7回以下(0)
・8〜14回(1)
・15回以上(2)
2)夜間頻尿:夜寝てから朝起きるまでに、何回くらい尿をするため起きましたか
・0回(0)
・1回(1)
・2回(2)
・3回以上(3)
3)尿意切迫感:急に尿がしたくなり。我慢が難しいいことがありましたか
・なし(0)
・週に1回より少ない(1)
・週に1回以上(2)
・1日に1回くらい(3)
・1日2〜4回(4)
・1日5回以上(5)
4)切迫性尿失禁:急に尿がしたくなり、我慢できずに尿をもらすことがありましたか
・なし(0)
・週に1回より少ない(1)
・週に1回以上(2)
・1日に1回くらい(3)
・1日2〜4回(4)
・1日5回以上(5)

過活動膀胱診断基準
尿意切迫スコア(質問3)が2点以上かつOABSS合計スコアが3点以上
OABSS合計スコア3〜5点:軽症 6〜11点:中等症 12点以上:重症

ポンぺ病の臨床症状・検査所見・自然歴

乳児型ポンぺ病(IOPD)は新生児期から乳児期早期に筋力低下と肥大型心筋症を主症状として診断され、自然歴では2歳までに死亡する予後不良の疾患です。遅発型ポンぺ病(LOPD)は小児型と成人型に分類され、発症時期が早い小児型はIOPDに、発症時期が遅い小児型は成人型に類似する臨床症状を呈します。高CK(クレアチンキナーゼ)血症は全病型に共通する所見です。

1)乳児型
発症時期:新生児期〜乳児期早期
症状:筋緊張低下(フロッピーインファント)、哺乳不良、巨舌
検査所見:高CK血症、肥大型心筋症
自然歴:2歳頃まで心不全・呼吸不全により死亡する

ポンぺ病の臨床症状・検査所見・自然歴 の詳しくはこちら

健康診断・血液検査MAP2の新着記事
iPS細胞由来NKT細胞を利用したがん免疫療法
理化学研究所では細胞由来NKT細胞(iPS-NKT細胞)を開発し、安定したNKT細胞製造が可能となりました。
ロカボの腸内細菌叢への影響と人工甘味料
ロカボでは、患者の我慢を忌避すべく、主食をしっかり食べたい患者には代替主食(パンや麺を呈糖質パンや低糖質麺に代替する)を勧め、甘味をしっかり楽しみたい患者には代替甘味料(およびそれを利用した甘味商品)を勧めています。
がん治療関連心機能障害(CTRCD)
がん治療薬の使用を制限する最大の心血管毒は左心室機能障害であり、がん治療関連心機能障害(cancer therqeutics-related cardiac dysfunction:CTRCD)と呼ばれています。
前立腺癌診断補助する新規検査法「phi」
前立腺癌に特異的なバイオマーカーとしてプロステートヘルスインデックス(phi)が注目されており、わが国の臨床性能試験で前立腺癌診断マーカーとしての有用性が証明され2021年11月に保険収載されました。
糖質制限食(ロカボ)の医学的効果
糖質制限食は(極端な糖質制限食を含めて)欧米の学会に推奨されています
糖質制限食(ロカボ)の概要
1食20g以上40g以下とする糖質制限食を採用し、これをロカボと称したことから、わが国では”ロカボ”という言葉で糖質制限食が普及しています。
プロテインS 検査異常の原因
日本人は先天性プロテインS欠乏症の発症頻度が高く、欧米人の0.16〜0.21%に対して1.12%となっています
プロテインS 活性・遊離型抗原量
主として下肢静脈血栓など遺伝性血栓症の診断に行われる検査。
プロテインCの検査異常の原因
遺伝子異常による病態であり、一般的にみられるのはヘテロ接合体の分子異常で常染色体優性遺伝の遺伝形質を示します。
尿中膵酵素 尿中アミラーゼ・尿中トリプシノーゲン2
膵酵素であるトリプシンの前駆物質トリプシノーゲンは、急性膵炎の発症早期から尿中に排泄されます

Valid XHTML 1.0 Transitional Valid CSS! Lint